AI(人工知能)やロボティクスなどの先端テクノロジーを取り込もうと、多くの建設会社や建設コンサルタント会社がベンチャー企業との協業を進めている。こうした動きは2019年以降、ますます活発になりそうだ。

 他の建設会社に先駆けて、ベンチャー企業との協業による新規事業の立ち上げや本業の強化に力を入れてきた前田建設工業が、さらなる一手を打ち出した。

 110億円を投じて茨城県取手市に建設した「ICI総合センター」をオープンイノベーション(ベンチャーなどとの協業で技術革新を目指す手法)の拠点と位置付け、協業先に資金や実験設備などを提供しながら共同開発や事業化を加速する。

 同社の前田操治社長は、「数年前からベンチャーとの連携を始め、1年に20件ほどの事業を立ち上げている」と自信をのぞかせる(写真1)。

写真1■ 「ICIイノベーションアワード」の授賞式。受賞者に囲まれ、中央でマイクを握るのが、審査委員長を務めた前田建設工業の前田操治社長(写真:日経コンストラクション)
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 2019年2月15日の開所式に合わせて実施したコンテストでは、ベンチャーなどから分野を問わずビジネスプランを募集し、応募した48者から、独創性や社会に与えるインパクトなどを基準に5者を選定し、プレゼンテーションを踏まえて同日夜に最優秀賞を決定(写真2)。5者とはそれぞれ共同事業などに取り組むほか、資金面での支援を要望した4者に対して出資を検討すると表明した。

写真2■ プルートスの菅野朋典社長。自社の技術を生かしたプランについて熱弁を振るった(写真:日経コンストラクション)
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 最優秀賞に選んだのは、石灰石を原料とする紙・プラスチックの代替素材「LIMEX」の製造や販売を手掛けるTBM(東京都中央区)と、FEM(有限要素法)解析モデルのメッシュ分割を自動化する技術を持つプルートス(千葉県柏市)の2社。いずれも気鋭のベンチャーだ。

 このうちプルートスとは、同社のメッシュ自動分割技術を生かして、建築・都市設計の完全自動化に向けた技術開発と事業化に取り組む。「これまでは不可能だったメッシュ分割の自動化によって、設計から解析までの一連の流れを自動化できる。これによって、人が最初のモデルを用意して条件を設定すれば、AIが最適なデザインを提示する『ジェネレーティブデザイン』を実現したい」(プルートスの菅野朋典社長)。

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