
みら☆どぼ 未来を照らす土木・建築テクノロジー

目次
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1 重機のエンジン音
逆位相の波を瞬時に出し続けて消す
工事現場で必ず生じるのが騒音や振動だ。仮囲いや防音シートで法律・条令が定める基準値以下に抑えていても、人によって感じ方が違うため近隣の住民から苦情が上がりやすい。近年は、工事の種類や現場の状況に合わせた消音テクノロジーが生まれており、より効率的な対策を選べるようになってきた。
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2 遠くの民家まで伝わる発破音
坑内と坑外の2段階で抑え込む
建設現場で振動や騒音が課題となる代表的な作業の1つが、発破工法を用いた山岳トンネル工事の掘削だ。切り羽に火薬装填用の穴をドリルジャンボで開ける際の削孔音や発破音は、坑口に防音扉を設置しても完全に消すのは難しい。漏れた音が周辺の集落で問題になることがある。
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5 コンクリート構造物の解体音
ブレーカーと破砕対象を泡で覆う
多くの建設現場で悩みの種となる騒音が、コンクリートの破砕で生じる音だ。特に、油圧ショベルのアタッチメントにブレーカーを装着して構造物を解体する場合は、近隣への配慮が欠かせない。大型のノミを連続してコンクリートに打ち付けるため、大きな音が続けて出る。
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6 新設コンクリート杭の杭頭処理音
0.05秒の連続発破で騒音を一瞬に
コンクリートの破砕作業が必要なのは、解体工事だけに限らない。実は、建物や橋の新設工事でも結構な出番がある。例えば、基礎のコンクリート杭を場所打ちする場合だ。
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グリーンインフラの実力を探れ
持続可能な社会と経済の発展に向け、自然の力を賢く利用する「グリーンインフラ」。国内で数年前からその概念が浸透し始め、最近では自然が発揮する減災効果などを定量的に評価しようとする取り組みが盛んだ。生態系の機能を取り入れて設計したインフラの実現を目指す動きに迫った。
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危機を先取る災害シミュレーション
猛暑、地震、集中豪雨―。相次ぐ災害への備えに、スーパーコンピューターは欠かせないツールとなった。過去の災害を再現するだけでなく、未来に起こり得る現象を予測できる。行政や企業は自然災害をシミュレーションして、防災に役立てている。
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遠隔監視に不可欠なLPWA
低消費電力で広い範囲に無線で通信できるLPWA(ローパワー・ワイドエリア、省電力広域無線通信)。人に代わりセンサーがインフラを監視する時代の到来で、現場での情報を人がいる遠隔地に「送る」IoT技術が不可欠となった。インフラの維持管理、施工管理などでLPWAが導入され始めている。
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ここまで来たVR!
今号から始まった最新の建設技術トレンドを追う「みら☆どぼ」。連載初回では、急速に広がりつつあるVR(仮想現実)の活用事例を紹介する。現場で起こり得る事故を体験できる安全教育の用途に注目が集まりがちだが、設計図の確認や施工計画の検討など、様々な場面で使われるようになってきた。