半世紀前にできた地下鉄の開削トンネルの両側を切り開き、新駅を建設する工事が最盛期を迎えている。新駅は地下2層構造だ。逆巻きで地下1階のプラットホームを構築してから、列車が走る既設トンネルをアンダーピニング工法で仮受けし、地下2階に改札口とコンコースを整備する。

東京五輪前に地下1階ホームだけで暫定開業を目指す

 霞が関の官庁街に隣接する東京・虎ノ門で、都市再生事業が進んでいる。国際的なビジネス拠点を整備するとともに、交通結節機能を強化する一環として、地下鉄日比谷線の霞ケ関-神谷町駅間に新駅「虎ノ門ヒルズ駅」を設置する。

 事業主体である都市再生機構から東京メトロが受託。土木工事は鹿島・大林組JVが担っている。

 日比谷線の両駅間が開通したのは、前回の東京五輪が催された1964年。新駅は既設の開削トンネルの両側にホーム用の躯体を開削工法で築く。2019年9月時点で、既設トンネルの側壁をブロック状に切断、撤去している段階だ(写真1図1)。

写真1■ 地下1階レベルを走る日比谷線の既設トンネルの左右に、新駅のプラットホームが収まる躯体を構築した。写真右が既設トンネルで、ワイヤソーなどでブロック状に切断した側壁をリフト付き台車に載せ替え、レール上を運搬して撤去する。側壁を撤去した部分は、日比谷線の軌道と工事エリアを隔てる防護用の鉄板が露出している。左奥の開口は地下2階へ通じる階段。都市再生機構と東京メトロが2019年8月下旬、報道陣に現場を公開した
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図1■ 既設トンネルの左右を開削して逆巻きで新駅の躯体を構築
新駅設置までの施工の流れ。東京メトロと鹿島JVの資料を基に日経コンストラクションが作成
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 ホームは地下1階、改札口とコンコースは地下2階に設ける。まず、20年の東京五輪前までに地下1階部分だけ先に開業。地下1階に仮設した改札口から地上などと行き来できるようにする。その後、周辺の再開発ビルが完成する22年度に、乗降客の動線を地下2階に移す計画だ。

 東京メトロは、全体の完成を待たずに暫定開業できるようにするため、新駅の躯体を「逆巻き工法」で構築している。開削工法で一般的な順巻き工法は、最下層まで掘削した後で下から順に躯体を立ち上げる。一方、この工事では地下1階を掘削した段階でホーム部分の躯体を完成させ、並行して地下2階を掘削する。

 地下1階の床となる中床版が完成すると、地下2階で掘削した土砂を地上へ搬出しにくくなるのが難点だ。「最初は隣接する再開発ビルの予定地にたて坑を設けて土砂を搬出した。しかし、再開発が本格化すると順次使えなくなる。代わりに道路部に作業用たて坑を確保した」。鹿島JVの北川豊所長はこう説明する。

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