床版の内部に空洞を設けるための型枠を埋め込んで造る中空床版橋。従来は支間30mほどが限界だったのに対し、国内最長級となる同40mを目指す高架橋工事が最盛期を迎えている。埋設型枠として多角形の発泡スチロール製の部材を採用した。

発泡スチロールの埋設型枠で桁高を1.8mに

 福岡市東部で都市高速道路の新設工事が進んでいる。博多湾の航路を浚渫(しゅんせつ)した土砂で埋め立てた人工島「アイランドシティ」から既設の路線までを結ぶ延長約2.5kmの福岡高速6号線だ。相次ぐマンション建設や港湾物流の増加による交通需要をさばく。福岡北九州高速道路公社と国土交通省九州地方整備局、福岡市が合併施行で事業を進め、2020年度の完成を目指す(写真12)。

写真1■ コンクリートの打設を目前に控えた中空床版橋。エポキシ樹脂塗装鉄筋の下に、埋設型枠の発泡スチロールが見える。放水ノズルを差し込み、底面の型枠上のごみなどを取り除く(写真:日経コンストラクション)
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写真2■ 写真の左手前に長さ280mのPC7径間連続中空床版橋、その奥に同244.5mのPC6径間連続中空床版橋を架設する。前者は三井住友建設・みらい建設工業JVが、後者は五洋建設・ドーピー建設工業JVがそれぞれ施工している。写真右がアイランドシティで、海沿いに遊歩道や公園が整備されている(写真:日経コンストラクション)
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 国交省が担当する約1.1kmの橋梁区間のうち、計640mほどで採用するのが現場打ちプレストレスト・コンクリート(PC)の中空床版橋だ。支間を約40mとして7径間、6径間、3径間の連続桁でつなぐ。

 中空床版橋は薄くて軽快なデザインの上部構造を実現できる半面、支間が長くなると自重が増えるため、従来は30m程度が限界だった。床版の桁高も通常は1~1.5mほど。桁高が1.5m以上になると、埋設型枠として使うことが多い鋼製の円筒型枠の変形を防ぐために板厚を増やしたり、円筒型枠の浮き上がり対策が大掛かりになったりする。その結果、工費が増大して、他の構造形式と比べてコスト面で不利になっていた。

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