眼鏡型のウエアラブル端末を装着し、配筋作業を指示するのは入社3年目の技術者。その横で支援するのも、ベトナム出身で2018年に入社した新人技術者だ。ドローンによる写真測量や3次元CADも導入した現場で、「経験が浅い人ほど活用すべきだ」と2人は語る。

平均年齢30歳の現場で業務効率2倍を実証

 「左にもう1cm」「はい、それくらいでOKです」。米マイクロソフトが開発した眼鏡型ウエアラブル端末「ホロレンズ」を装着した若手技術者が、ベテラン作業員に鉄筋の墨出しや配筋の指示を出す(写真12)。

写真1■ 担当技術者を務める入社3年目の酒井希実氏がホロレンズを装着し、配筋状況を確認する。その左横に立つのは、ベトナムから来日したファム・ゴック・アン氏(写真:日経コンストラクション)
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写真2■ ホロレンズを通して3次元CADで描いた配筋図を見ながら、鉄筋の位置をマーキングしていく。鉄筋の3次元モデル作成は橋脚1基当たり1人で0.5日、墨出しとマーキングは2人で0.25日。下はホロレンズを通して見た現場(写真・資料:旭建設)
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 ホロレンズは、3次元CADに入力した鉄筋の位置を実際の風景と重ねて内蔵スクリーンに投映。見る方向を変えれば、ホロレンズに備えたセンサーが周囲の状況を把握し、投映する鉄筋の位置も自動で変える。

 現場は宮崎県に架かる国道10号高鍋大橋。2018年から19年にかけての渇水期に、橋脚1本をポリマーセメントモルタルで巻き立てて補強する。旭建設(同県日向市)が約1億円で国土交通省から受注した。

 同社はこの工事で2つの課題に挑んだ。1つは次世代を担う若手技術者が現場を動かすこと。現場代理人を務める白木紀章氏は39歳、監理技術者の黒木裕介氏は37歳だ。さらに、担当技術者として入社3年目で23歳の酒井希実氏と、18年6月に入社したばかりの22歳のファム・ゴック・アン氏が働く。4人の平均年齢は30歳だ。

 もう1つの課題は、ホロレンズやドローン(小型無人機)、3次元CADなどを導入して、生産性の向上を検証すること。この仕事を主に担うのは、以前に担当した土工事で3次元測量をたたき込まれた酒井氏だ。まだ3次元測量などの経験がない先輩技術者に、自らの経験をぶつける。

 今回の現場は、国交省のCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)試行工事ではない。しかし、旭建設は従来の手法と比較できる好機と捉えた。

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