イベントなどで活用されるプロジェクションマッピングの技術を使って、トンネル工事の切り羽に地山の硬さを色で表した画像などを投影して可視化する。発破のための装薬方法の検討や作業班の交代時に、作業員全員で情報を共有しやすくした。

誰でも地山の状況を視覚的に判断

 カラフルなコンター図が映し出されたトンネル工事の切り羽を見上げながら、元請けの技術者と掘削を担う作業員が次の発破作業について打ち合わせる。コンター図は赤くなるほど地山が軟らかく、青くなるほど硬いことを意味する。地山の状況を実際の切り羽に直接、投影することで可視化した(写真1、2)。

写真1■ プロジェクションマッピングによって、これから発破する切り羽に映し出されたコンター図。地山の硬さの違いを色で塗り分けており、赤くなるほど地山が軟らかく、青くなるほど硬いことを意味する(写真:大村 拓也)
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写真2■ ドリルジャンボの操縦室から切り羽を見たところ。3台並ぶモニターは、装薬孔やロックボルトを削孔するためのナビゲーションシステムのもの。従来は削孔パターンを図面で表示していたが、この現場で改良を加え、コンター図や切り羽の写真も表示できるようにした(写真:大村 拓也)
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 この「切り羽プロジェクションマッピング」を実用化したのは、岩手県宮古市で大成建設が施工する全長2050mの国道106号下川井トンネルの現場だ。急カーブが多い既存の国道を改良するため、宮古市と盛岡市を結ぶ復興支援道路として、国土交通省が整備を進めている。

 貫通の予定は2019年2月末で、現場を取材した1月中旬は坑口から1990m付近を掘削中だった。コンター図の大部分が赤いのは、地山が断層破砕帯に差し掛かっていることを物語る。作業員らは青く表示された地山を中心に装薬して発破。一方、黄緑から赤で示された範囲は装薬せず、発破後にブレーカーを使って機械掘削した。

 コンター図は、ドリルジャンボで装薬孔を削孔した時に得られる穿孔(せんこう)エネルギーのデータを基に作成したものだ。削孔するごとに現場事務所のパソコンで自動的に書き出される。トンネルの掘削を始めた17年1月から使っているコンピュータージャンボに装備された機能だ。

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