[画像のクリックで拡大表示]

吉井川九蟠護岸その8工事(岡山県)
発注者:国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所 
受注者:荒木組

 岡山県東部を流れる吉井川の河口付近、右岸側の堤防に耐震と高潮の対策を施す工事だ。

 耐震対策では、堤防の陸側に鋼矢板を打設する。既に従前の工事で川側に打ち込んである鋼矢板と堤防を挟み込む構造に変えて、地震の揺れに伴う砂の液状化を封じる仕組みだ。一方、高潮対策では、ブロックマットを敷設することで、越水から堤防内部を守る。

 施工現場は5カ所に分かれ、広範囲に点在する(写真1)。工種も多いので、施工管理や工程管理に労力を要した。作業ヤードが狭い堤防の天端での作業では、クローラークレーンなどを配置すると他の工事車両が通行できなくなる。そのため、複数の施工現場で同時に作業を進めるのが難しかった(図1、写真2)。

写真1■1工区の完成状況
吉井川の右岸堤防に液状化対策を講じた。現場は施工箇所が広範囲に点在し、交通規制延長が長かったため、近隣の住民や工場の理解・協力が不可欠だった(写真:荒木組)
図1■ 標準断面図
堤防天端で施工するため、重機やクローラークレーンを配置すると、工事車両が通行できない。複数工区での同時施工を行うため、工種を変えるなどの工夫をした(資料:荒木組)
[画像のクリックで拡大表示]
写真2■ 施工状況
堤防陸側に鋼矢板を圧入している(写真:荒木組)
[画像のクリックで拡大表示]

 この工事を施工した荒木組(岡山市)は、こうした現場状況から、通常の方法では工期内の完成が難しいと判断。1日ごとの施工内容を細かく記した緻密な工程表を作成し、厳密な工程管理を行った。併せて、当初設計の現場打ちコンクリートをプレキャスト製品に変更するなど、工事の遅れを防ぐための様々な作業効率化策を実施。工期内の完成を果たした。

 発注者の国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所は、荒木組の取り組み姿勢や施工成果を評価。同社は成績評定で84点を獲得するとともに、現場代理人と監理技術者を兼任した同社工務本部工事グループの森定勇課長は、中国地整から2018年度の局長表彰(優秀建設技術者)を受けた。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経コンストラクション」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら