水辺と公園の動線つなぐカフェ開設

 西の空に日が沈む頃、北九州市の小倉都心部を流れる紫川周辺に、夕涼みを楽しむ人たちが集まり始めた。水辺でひときわ明るい光を放つのは、市の勝山公園に設置された飲食施設だ(写真1)。店舗前の階段やスロープで水際に下りることができる。

写真1■ 北九州市の小倉都心部にある勝山公園に、民設民営のコメダ珈琲店が2018年7月にオープンした。併せて、市が紫川沿いの遊歩道を連続化し、回遊性を高めている。市役所の窓に、小倉城のライトアップが映る(写真:イクマ サトシ)
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 この店舗は、市が全国で初めて公募設置管理制度(Park-PFI)を導入し、民設民営方式で設置した「コメダ珈琲店」だ。2018年7月にオープンした。市は、隣接する水辺空間も並行して改修。19年3月に橋で途切れていた川沿いの遊歩道をつなげ、左岸約1km、右岸約0.7kmの区間を連続化した(写真2、3)。

写真2■ 公園から水辺の遊歩道に下りるスロープは、写真左の入り口の幅を広くして川への見通しと動線を確保した。コメダ珈琲店の前面下の高水敷は新たに遊歩道を整備した。奥は鷗外(おうがい)橋(写真:イクマ サトシ)
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写真3■ 手前が中の橋(太陽の橋)で、写真奥の下流側に見えるのが鷗外橋。勝山公園から水辺空間に下りやすくするように、中の橋近くにベンチを兼ねた大階段を整備した(写真:イクマ サトシ)
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 北に大型商業施設、西に観光名所の小倉城、南に市役所が位置する歩行者動線の結節点に当たる場所(図1)だが、改修前は立ち止まる要素がなく、人々は足早に通り過ぎていた(写真4)。そこで市が採用したのが、民間活力を生かして都市公園の魅力を向上させるPark-PFIだ。

図1■ 紫川の左岸遊歩道を約1km連続化
[平面図:水上ステージ(勝山公園前)~鷗外橋左岸周辺改善図]
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[A-A横断図]
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水辺の遊歩道一般図。北九州市と大屋設計の資料を基に日経コンストラクションが作成
写真4■ 改修前。店舗計画地の前面下の高水敷は遊歩道が途切れていた(写真:北九州市)
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 17年6月の都市公園法の改正によって、公園内における店舗などの事業期間の上限が、従来の10年から20年に延びた。「事前調査では、店舗建設の初期投資を回収する上で、従来の事業期間の短さをリスクと感じるという民間事業者の声があった。より長い期間が法的に担保され、安心して出店できる環境が整った」(市建設局公園緑地部緑政課の大畑崇公園統廃合・事業調整担当係長)

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