河川上空の広場や水景施設を新設し
川沿いの親水空間でにぎわい創出

 都市の発展とともに河川に蓋がされ、街から多くの「自然河川」が失われてきた東京都渋谷区。そんな区内で唯一の開きょである渋谷川が、にぎわいを創出する“生きている河川”へと生まれ変わった(写真1)。

写真1■ JR渋谷駅のすぐ南側を最上流とする現在の渋谷川。約600m続く川沿いの遊歩道や、コンクリートの壁面に再生水を流す水景施設「壁泉」を整備した(写真:吉田 誠)
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 東京急行電鉄の旧東横線渋谷駅のホームや高架橋などの線路跡地を活用して、水景施設や遊歩道を整備した「渋谷リバーストリート」だ。渋谷川に隣り合う複合施設、渋谷ストリームの開業に併せて、2018年9月に供用開始した。

 駅前一等地に出現する線路跡地などの再開発を進めてきた東急電鉄が、都市再生特別地区制度に基づく公共貢献として、区や都と連携しながら、にぎわい創出に向けて様々な環境整備を実施。ビル群を縫うように流れる川に並行する遊歩道は、様々な使い方ができるように余白を残したデザインにしている(写真2)。

写真2■ 線路跡地を活用した渋谷リバーストリートの遊歩道の幅員は、約3~13.5m。舗装デザインは川の流れをイメージしている。渋谷ストリームエクセルホテル東急の13階から南東側を向いて撮影(写真:吉田 誠)
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 改修前の渋谷川は水量が少なく、高架橋や建物に挟まれていることもあって川に近付くことが難しかった(写真3)。東横線地下化で高架橋が撤去されるのに先立ち、区は11年に地元商店街や住民を中心に、東急電鉄や都も含めた渋谷川環境整備協議会を設立。地元から出てきた要望の1つが「水を感じられる空間」だ。だが、地上から水面までの距離は5mと離れている。普段の水量は少ないが、豪雨時は急激に水かさが増える川で、水際に下りるような親水施設の実現は難しかった。

写真3■ 改修前の渋谷川。高架橋は撤去されている。平常時は水の流れがなかった(写真:東京急行電鉄)
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 「水に直接、触れることはできないが、少しでも目や耳で川を楽しんでもらおうと考えて採用したのが、『壁泉(へきせん)』の仕掛けだ」。渋谷区都市整備部渋谷駅周辺整備課の中田和宏課長は、このように話す。

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