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技術職の本分は事務作業でない
佐川 徳和(50、自治体)

 自治体の技術職員として道路などの改築や維持管理に携わっている。構造物の老朽化や災害の増加によって、調査や設計で高度な技術が求められるようになってきた。

 一方で、複雑な図面や構造計算書を読み解ける職員は減ったと感じる。積算や設計のシステム化が進んだことが一因だ。計算の過程がブラックボックスとなった結果、入力ミスや関連する書類間での数値の食い違いがないかどうかを、数字を見比べて確認することしかできなくなった。

 加えて、専門性を高めるための勉強をする機会も時間も減った。職員の人手不足などの理由で作業を外部に委託することが増えたからだ。技術系と事務系の業務で担当者を分けるほどの人員もいないため、若手や中堅の職員は技術系といえども、書類作成などの事務作業に追われる。

 業務の効率化は取り組むべき課題だが、それによって仕事に必要な専門知識や、深く考える力を失ってしまっては本末転倒ではないか。今後、AI(人工知能)の開発によって機械に任せる仕事が増えれば、不測の事態に臨機応変に対応できる知識を持った人材が一層必要になると思う。

 技術職員の仕事が事務作業ばかりになった今、改めてその存在意義を考えたい。技術力や知識があってこその技術職だということを、日々の業務の中で忘れてはいけない。

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