安藤ハザマ朝日航洋は共同で、モービル・マッピング・システム(MMS)を改良し、切り土法面など遠方の構造物の3次元計測を効率化する技術を開発した。MMSとは、レーザースキャナーなどを搭載した車両を走らせて周辺の3次元データを取得する技術だ。現地で計測したデータの精度を確保するための補正と検証の作業を、大幅に減らせるようにした。

 新技術では、MMSの車両基地などで所定の計測精度を満たす「有効計測距離」をあらかじめ求めておき、現地で車両を走らせつつその範囲内にある遠方の構造物を計測する(図1)。道路工事現場での実証実験などを通じて、国の「i-Construction」の基準を満たす有効計測距離を求めたところ、出来形測量では約200m、起工測量では約350mとなった。いずれも川の対岸まで測れる距離なので、多様な計測エリアへの対応が可能だ(写真1)。

図1■遠方まで高精度で測量
緑色が有効計測距離内で、赤色がその範囲外。有効計測距離内の構造物であれば、車両を走らせるだけで、所定の精度での測量成果を確保できる。3次元計測に必要な標定点と検証点をわざわざ遠方まで設置しに行く必要がない(資料:安藤ハザマ)
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写真1■安藤ハザマの道路工事の現場で、MMSを用いて切り土法面を計測している様子(写真:安藤ハザマ)
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 両社は2016年に、MMSを用いた3次元計測技術を共同で開発していた。ただ当時は、車両が走れない箇所は計測できないといった弱点があった。そのため、造成工事のような平坦地の土工事を主な計測対象としていた。

 MMSによる3次元計測の大きな課題は、3次元点群データを補正するための「標定点」と、測量データの妥当性を検証するための「検証点」とを、現地で対象物に設置しなければならない点だ。標定点と検証点は、トータルステーション(TS)などで計測して事前に座標を求めておく。対象箇所には、A3サイズの板状の標識などを設置するケースが多い。

 切り土法面や橋梁などを含む計測エリアでは、標定点と検証点の設置やその測量に多くの手間と時間がかかる。設置自体が困難な場所もある。計測作業を効率化するには、標定点と検証点を減らす必要があるが、そうすると精度が低下する恐れがある。

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