停電の一因となる電柱の倒壊が最近の台風で相次いだことを受け、電線を地中に埋める「無電柱化」への関心が高まっている。2019年9月に関東地方などを襲った台風15号では、一時93万戸が停電した(写真1)。18年の台風21号による大阪府を中心とした停電被害も記憶に新しい。

写真1■ 台風15号で倒れた千葉県茂原市の電柱。2019年10月15日撮影(写真:日経 xTECH)
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 無電柱化推進の旗を振るのは国土交通省だ。同省は18~20年度の3年間で、延長約2400kmの道路で無電柱化に着手する目標を掲げている。

 現在、一般的な無電柱化の手法は、電線共同溝方式だ(図1)。国や自治体といった道路管理者が主に歩道の下に電線や通信ケーブルを収容する管路などを整備する。道路管理者の負担するコストが延長1km当たり約3億5000万円と高額なため、無電柱化の進展は遅い。1985年~2017年に無電柱化した道路は約1万kmにとどまる。全国の道路の総延長約120万kmの1%に満たない。

図1■ 従来は電線共同溝方式が一般的
(資料:東京都)
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 そこで国交省は、電線共同溝方式よりも安価に無電柱化する手法の普及を進めている。19年3月に低コスト手法導入の手引を改定した。

 低コスト手法には、管路を従来よりも浅い位置に埋める浅層埋設方式や、管路の代わりに小型ボックスを設置して電線を収容する小型ボックス方式などがある。どちらも16年に管路の埋設深さの基準などが緩和されて可能になった。

 小型ボックスの活用は、新潟県見附市や京都市の先斗町通などで導入例がある。見附市は低コスト手法の導入により、延長1.3kmの無電柱化事業で約3000万円の費用を削減した。

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