6月18日午後10時22分、山形県沖を震源とする地震が発生した。最大震度6強を観測したものの、死者や家屋の全壊はゼロだった。一方、法面崩壊や液状化が局所的に発生。何らかの弱点があったとみられ、原因の究明が待たれる。

 気象庁によると、地震の規模を表すマグニチュードは6.7、震源は沿岸から6~7kmほど離れた深さ14kmにある。新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で6弱を観測した他、周辺で高さ10cmの津波を観測するなどした(図1)。総務省消防庁の2019年6月25日時点の発表では、重軽傷が39人、一部損壊などの住宅が476棟あるものの、死者や家屋の全壊は報告されていない。

図1■ 東西方向に圧縮を受けて地震発生
気象庁の推計震度分布図に日経コンストラクションが加筆。丸数字は写真番号に対応する。山形県内で震度6弱以上を観測したのは初めて
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 村上市にある山北(さんぽく)総合体育館では、敷地の一角にあるブロック積みの法面が幅20mほどにわたって崩壊した(写真1)。崩れた土砂の中には、重力式擁壁のようなコンクリート塊が手前に傾き、縦に割れているのが見える。地盤の振動や滑り面の形成に何らかの悪影響を及ぼした可能性がある。現場近くにいた同市の職員は、このコンクリート塊の存在を「把握していなかった」と言う。

写真1■ 崩壊した山北総合体育館の法面。付近は1970年代後半に切り土して造成したが、崩れた法面は盛り土したようにも見える。村上市の職員によると、法面が崩れたのは地震発生から約1時間後だったという。特記以外の写真は6月20日に撮影(写真:日経 xTECH)
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 日本海沿岸を南北に通る国道345号の弘法トンネルでは、坑口そばの斜面から落石が発生。直後に通りがかった車が乗り上げて、動けなくなった(写真2)。斜面は防護ネットで覆われていたものの、被害を食い止められなかった。同トンネルから10kmほど北に離れた村上市の市道でも、道路脇の斜面から巨石が崩落した(写真3)。

写真2■ 弘法トンネル坑口付近の落石。現場に残っていた石は60cm×50cm×40cmほどの大きさがあった(写真:日経 xTECH)
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写真3■ 村上市の市道に落下した巨石。後ろに見えるアーチは、旧山北町が2002年に架け替えた八幡橋。6月19日に撮影(写真:日本経済新聞社)
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 鶴岡市の南西端に位置する鼠ケ関港(ねずがせき)では、2カ所ある物揚げ場で段差が生じた(写真4)。そのうち第二物揚げ場では、沖側のブロックが持ち上がったもようで、最大30cm超の段差ができていた。

写真4■ 段差が生じた鼠ケ関港の第二物揚げ場。写真右側のブロックが持ち上がったように見える。地元の漁協は山形県に補修を求める方針だ(写真:日経 xTECH)
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 同市湯温海(ゆあつみ)の住宅地では、地滑りが原因とみられる多数の亀裂が道路などに発生。下水道の取り付け管が損傷するなどした(写真5)。35~40年前に造成された場所で、住民が一時的に自主避難した。

写真5■ 鶴岡市湯温海の住宅地。マンホールの周囲には20cmほどの段差があった。今後、計測機器を設けて、地滑りの兆候がある場合はすぐに避難指示が出せる体制を整える(写真:日経 xTECH)
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