リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、大林組が設置した第三者委員会は1月31日、受注調整の経緯や再発防止策をまとめた報告書を公表した。そこには、大手4社のリニア営業統括者による強いつながりを背景に、見積もりなどの情報共有に至った経緯が詳細に描かれている。報告書を基に、リニア談合の構図を読み解く。

 土木業界内でたたき合いをしていると、JR東海だけが得をすることにもなりかねない──。

 2014年3月31日、大成建設でリニア工事の営業を統括するT氏が大林組本社(写真1)を訪れ、土木本部長の土屋幸三郎氏にこう訴えた。2人は早稲田大学理工学部土木工学科の同期生で親しい間柄だった。

写真1■品川駅に隣接する大林組の本社(写真:日経コンストラクション)
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 T氏はこの場で、対策を協議するため大成建設、鹿島、大林組の3社で話し合うことを提案。このT氏の声がけが、後に談合と見なされる情報交換の主要な場となる「3社会合」の始まりだった。

 3社会合は14年4月から月に1回程度の頻度で開催された(図1)。報告書によると、JR東海と強いつながりを持つT氏がリニア工事の出件時期や工区割りなどの情報を入手したという。会合では、それを基に各工区の受注予定者を決めた。

図1 ■ 受注調整の相関図
肩書は全て受注調整が行われていたとされる当時のもの。土屋氏は2015年度から副社長に就き、それを機に15年度以降の会合は大林組からはO氏が1人で出席した。大林組が設置した第三者委員会の調査報告書を基に日経コンストラクションが作成
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 清水建設は、JR系の施工実績が少ないことから、3社会合には呼ばなかった。しかしその後、清水建設が品川駅新設工事の受注を目指しているとの情報があり、同社の動向は無視できないと判断。受注調整の輪に入ってもらうことにした(図2)。

図2■品川駅新設工事に関わるやり取り
大林組が設置した第三者委員会の調査報告書を基に日経コンストラクションが作成
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 そこで重要な役割を果たしたのが、清水建設でリニア工事の営業を統括するS氏と土屋氏の関係だ。両氏は10年以上前から親交があった。こうした強い横のつながりが、受注調整を生んだ1つの要因となっている。

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