クルマなどの移動手段を融通する移動系シェアリング事業に参入する企業が相次いでいる。だが黒字化したのはカーシェアなど一部にとどまる。タクシー配車やサイクルシェアは今も赤字だ。各社の狙いは直近の利益を捨て、MaaS(モビリティ-・アズ・ア・サービス)の覇権を狙ることにある。

図 主な国内のサービスと経営状況
現時点では赤字容認が多いモビリティーシェアリング
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 「配車アプリ戦争が始まる」。2018年12月、ディー・エヌ・エー(DeNA)の中島宏オートモーティブ事業本部長は、配車アプリの全国展開を発表する場でこう宣言した。

ディー・エヌ・エーが提供する「MOV」の発表会の様子
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 米ウーバーテクノロジーズや米リフト、中国・滴滴出行(DiDi)、シンガポール・グラブ。世界のライドシェア大手はいずれも推定企業価値がユニコーン企業の基準である10億ドルをはるかに超える。2019年の上場を目指すとされるウーバーの企業価値は1200億ドル(13兆円超)との試算もある。

 海外ライドシェア大手は勢いに乗り、2018年秋に日本国内で相次ぎ配車アプリに参入した。「黒船」に対抗する形でソニーなど国内勢も参入、2019年の開始を目指す。

 活気づくのはタクシー配車アプリだけではない。トヨタ自動車は好きな車種を選んで好きなだけ乗れる月額定額制リースサービス「KINTO」を2019年初めに開始すると発表した。自動車を貸し出すカーシェアリング、自転車を貸し出すサイクルシェアリングを含め、車両を所有しなくても目的地に移動できる移動系シェアリングの市場がにわかに騒がしくなってきた。

 認知度も急上昇している。PwCコンサルティングが2018年5月に実施した調査では、移動手段としてのシェアリングサービスを知っている消費者の割合は前年比27ポイント増の68.9%に上った。移動手段として「利用したい」または「利用を検討してもいい」と答えた消費者は36.1%と、前年から14.1ポイント増えた。

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