深刻な人手不足に悩む物流が大きく変わる。小売業や商社、ガスなど様々な業種の企業が自ら、物流のデジタル変革を急ピッチで進めている。AIやロボットなど最新技術を駆使する「物流テック」の最前線に迫った。

ECで躍進するアマゾンが物流の重要性を知らしめ、日本企業の意識が変わった。運送会社の不祥事や運賃値上げもあり、物流改革に乗り出す企業が相次ぐ。AIやロボットなどデジタル技術の活用が求められている。

 2019年3月、米アマゾン・ドット・コムは大阪・茨木市で新たな物流拠点を本格稼働させる。最大の目玉は「Amazon Robotics(アマゾン・ロボティクス)」と呼ぶ自動搬送システムだ。台車状のロボットが商品棚を持ち上げてフロア内を自動走行し、商品を作業員の前まで運んでくる。

アマゾンが活用する自動搬送システム「Amazon Robotics」
(出所:アマゾンジャパン)
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 アマゾンが日本に同システムを導入するのは川崎市の拠点に次いで2カ所めだ。元はロボットベンチャーの米キバ・システムズが開発したシステムで、アマゾンが2012年に650億円で買収したことにより一躍脚光を浴びた。

物流は利益につながる投資分野

 「効率化でコストを下げるだけでなく、投資して利益を上げられる分野だと企業が気づき始めた」。三菱総合研究所の森崇主席研究員は、物流に対する日本企業の意識が変わりつつあると指摘する。変化を促した象徴的な存在がアマゾンだ。

図 企業が自前の物流改革に取り組む主な3要因
業界を越えて広がる
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 アマゾンはロボットをはじめとする物流技術の強化によって配送サービスの能力と品質を向上。当日配送や受け取り場所の多様化など便利なサービスを次々と打ち出した。アマゾンがキバを買収し同社の技術を独占した事実からも、アマゾンが物流技術を競争力の要と捉えていることがうかがえる。物流強化に突き進むアマゾンを目の当たりにして、「顧客満足度や競争力を高めるために荷主企業が自ら物流への投資へ乗り出している」(三菱総研の森主席研究員)。

 ファーストリテイリングやニトリホールディングスに続けと言わんばかりに、ITを駆使した物流改革に挑む企業が相次いでいる。ECや商社、製造、サービスなど業種を問わず動きは広がる。

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