AIの活用が進むにつれて課題も見えてきた。人材が足りず、データの収集と加工も十分でない。判断基準がブラックボックスになる不安を抱える。

 国内大手企業のAI活用が進み、一部の企業は売り上げ拡大につながる手応えを感じ始めた。

 日経コンピュータと日本経済新聞が実施した調査では、2020年度にはAI活用が業績を押し上げると期待する企業が多いと分かった。一方でAI活用に不可欠な人材の増強やデータの収集・加工に課題を抱える現状も明らかになった。改善を怠ればAIによる業績向上は幻想に終わる。

 AIを活用する94社に対してAIによる営業利益の押し上げ効果の2018年度見込みを聞いたところ、プラスの金額を回答したのは3社だけだった。2年後の2020年度にはAI活用が2017年度比1億円以上の業績向上に貢献すると回答した企業はグッと増え12社に上った。

 「攻め」のAI活用については試行段階にあり、今後の本格的な活用で数年後の成果を狙っている。そんな典型的な国内企業の姿が浮かび上がる。

 ただし、期待通りに進むとは限らない。課題は企業自身が認識するように、人材とデータにある。AI活用の今後の課題として「AI活用を担う人材の増強」を選んだ企業は全体の87.6%に達した。内部人材の育成や外部人材の取り込みが不可欠な状況にある。

Q AIを活用するうえで今後改善すべきだと考えていることは何ですか(n=113、複数回答)
最大の課題は人材の増強
[画像のクリックで拡大表示]

 「AIの学習に必要なデータの収集・加工」が課題だと回答した企業は全体の76.1%だった。同じ意味のデータを同じ形式にそろえるといった加工作業は技術的難度が高く、調査や修正に手間がかかることもあって、後回しにされがちだ。

 課題は人とデータにとどまらない。「どこにAIを使うべきかの意思決定」に課題があると考える企業は50.4%に上った。このほか「AIの最新技術や活用事例の情報収集」は38.9%、「社員や経営者のAIへの理解」は37.2%、「AIの活用に関するルールの整備」は33.6%の企業が課題として挙げた。多くの国内企業は、AI活用に向けて複数の課題を認識している。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経コンピュータ」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら