アフリカで今、先進ITを活用した新たなサービスが次々と誕生している。銀行や固定電話、高速交通網といった先進国では見慣れたインフラが整っていない。そうした「後発」の立場を強みに、先進国をしのぐ最先端の仕組みを一足跳びに生み出している。砂漠の乾いた土が水をどんどん吸収するかのように人々や企業、社会は新たなITを受け入れていく。

高成長の可能性を秘めるアフリカに日本のIT企業が商機を見い出している。現地企業を買収し、投資回収の段階に入った企業も出始めていた。アフリカは歓迎ムードだが、参入に際しては「裏」の見極めが欠かせない。

 未開拓の市場が広がるアフリカは伸び悩む日本企業にとって大きな魅力を備える。例えばナイジェリアの人口は2050年に4億人を超え、米国を抜いて世界3位に躍り出る。経済成長に伴って1人当たりの所得が増えれば、消費市場としての可能性は計り知れない。

 「世界で産業革命を経験していないのはアフリカだけ。インフラを含めて国が成熟していないが、それが伸びしろでもある。ITを通じた新たな国づくりのチャンスにあふれている」。起業家支援のサムライインキュベートが2018年5月にルワンダに設立したベンチャーキャピタル子会社、リープフロッグベンチャーズの寺久保拓摩社長はこう力を込める。

 同社は東アフリカを中心に、「シード」と呼ばれる創業から間もないスタートアップに投資する。まずは今後5年間で約100社への投資が目標だ。

 国際協力機構(JICA)と組んで、2018年6月から創業前の10チームに起業支援プログラムの提供を始めた。「ニーズはあるのか」「サービスとしてきちんと設計できているのか」。こうした観点で現地の起業家たちと議論を重ねている。半年後にプロトタイプを使ったプレゼンテーションをさせ、有望なチームへの出資も検討している。

 日本のIT企業もアフリカに熱視線を送る。筆頭格がDMMグループだ。同社は2015年に「アフリカ事業部」を設け、5年間で100億円を投じる計画を明らかにした。既にルワンダでソフトウエア開発を手掛けるヘヘ・ラボ(現DMM.HeHe)やACグループを買収した。

表 日本企業の主な取り組み
IT大手やVCが続々とアフリカに投資
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 DMM.HeHeは2017年夏にモール型のECサイトを始め、家電や家具、医薬品を取り扱う。自ら仕入れた生鮮食品なども販売している。同社の一宮暢彦CFO(最高財務責任者)は「ITを使ってアフリカの小売りを変革したい」と話す。

 アフリカでのオフショア開発に目をつけたのがソフト開発のレックスバート・コミュニケーションズだ。2012年にアフリカに進出し、2014年には日本のIT企業として初めてルワンダに現地法人を設けた。田中秀和社長は「あと3~5年でアフリカの売り上げが日本を超える」とみている。

DMM.HeHeはキガリを中心に食品の宅配サービスを展開
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