アフリカで今、先進ITを活用した新たなサービスが次々と誕生している。銀行や固定電話、高速交通網といった先進国では見慣れたインフラが整っていない。そうした「後発」の立場を強みに、先進国をしのぐ最先端の仕組みを一足跳びに生み出している。砂漠の乾いた土が水をどんどん吸収するかのように人々や企業、社会は新たなITを受け入れていく。

銀行口座を持てない人が多数を占めるなか、人々は銀行に頼らない生活を確立しつつある。仮想通貨やモバイルマネーが普及し、銀行を介さないお金のやり取りが増えている。FinTechを前提にした金融サービスの未来がそこにある。

 国際送金はとにかく時間とお金がかかる――。世界中の人々や企業の悩みを解決するサービスがアフリカにある。ナイロビに本社を構えるビットペサは2013年から仮想通貨ビットコインを使った企業間の国際送金サービスを提供している。

ステファニー・ズー氏(中央)を囲む社員
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オフィス風景
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世界中の企業にビットコインで海外送金
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図 ビットペサのメンバーとオフィスの様子
ビットコインで海外送金を代行

 例えばガーナからベナンに送金する場合、ガーナの企業がモバイルマネーで現地通貨を振り込むと、ビットペサはビットコインに交換したうえでベナンのパートナー企業(ブローカー)に送る。ブローカーはビットコインを現地通貨に交換し、ベナンの企業の銀行口座に振り込む。

 手数料は通貨や取引の頻度、金額によって変動するが、3%程度が主流という。取引は即日で終わり、その日のうちに受け取れる。アフリカでは取引に2週間かかる場合もあり、スピード面の利点は大きい。ビットペサでマーケティングの責任者を務めるステファニー・ズー氏は「ブロックチェーンを使って、国際送金をこれだけ速く済ませるサービスは他に無い」と胸を張る。

 一般的には仮想通貨は値動きが激しいため、決済通貨には向かないとされる。ビットペサの場合、同社が仮想通貨の価格変動に伴う損失リスクを負う。だが「価格変動のリスクにさらされる時間は送金手続き中の40~60分ほど。アフリカの通貨の変動リスクに比べればずっと低い」とズー氏は語る。

 ビットペサはケニアのほか、タンザニアやウガンダ、セネガル、ガーナ、ナイジェリア、コンゴの7カ国に進出済みで、2018年中にもモロッコや南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)への参入を目指す。現在はビットコインだけを扱うが、今後はイーサリアムなどを扱うことも検討中だ。

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