世界中のIT企業と自動車メーカーが開発を競う自動運転の分野で、中国のスタートアップ企業の存在感が高まっている。先をゆく米国を猛追する中国の自動運転開発ベンチャーの今を追った。

2018年2月には広州市内の公道でレベル4の隊列走行を披露した小馬智行(写真提供:小馬智行)
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 北京と上海に次ぐ中国第3の都市、広東省広州市で10年以上タクシーに乗り続ける運転手が得意そうに話す。「このあたりでは、当たり前のように自動運転のクルマを見るね。この前見たのは(米フォード・モーターの)リンカーンだったかな」。

 ハードウエアのシリコンバレーと呼ばれる深センの北西に位置する広州は、自動運転の実用化の取り組みで存在感を強めている都市だ。自動運転関連のスタートアップ企業を誘致するため補助金制度を導入したほか、申請手続きを簡素化。企業が技術開発に専念できる政策環境を整えた。

 その広州市で自動運転の公道実験をしている有力ベンチャーが小馬智行(ポニーエーアイ)だ。IT大手の百度で自動運転のチーフアーキテクトを務めた彭軍氏と、同じく百度で自動運転技術を担当していた楼天城氏が2016年12月に創業した。

 楼氏は百度に在籍する以前は米グーグルで「グーグルX」の自動運転領域を担当していた。世界的なプログラミングコンテスト「トップコーダー」で10年間トップ3を維持し、米グーグルが開催するプログラミングコンテストで2度頂点に上り詰めた逸材だ。さらに技術部門トップの張寧氏は15歳で中国トップの清華大学に飛び級で入学している。

 2018年1月にはベンチャーキャピタルなどから1億1200万ドル(約123億2000万円)を調達した。160人の従業員を抱え、うち80%以上がエンジニアだ。北京、広州、米国にそれぞれ50人程度を配置する。COO(最高執行責任者)の胡聞氏は「世界的に見れば(米グーグルのグループ会社の)米ウェイモが先行しているが、(米ゼネラル・モーターズのグループ会社である)クルーズオートメーションには追いついている自負がある」と話す。

小馬智行の胡聞COO(左)と張寧エンジニアリングディレクター

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