アリババ(阿里巴巴)集団の業績が堅調だ。2019年3月期の決算は、売上高が前期比51%増の3768億元(6兆288億円)、営業利益は同17.6%減の570億元(9120億円)だった。営業減益だったものの要因は株式報酬費用の増加や訴訟和解金で、これらの影響を除くと同8.0%の増益だったという。

 アリババは中核事業のECで利益の大半を稼ぎ出す。だが、ECに頼るだけでは中長期の成長を描けない。そこで同社は次々と新たなサービスを打ち出して収益源の多様化に動く。

 アリババの強みは、自社サービスの拡大やベンチャー投資・買収を通じて中国人の暮らしの基本を表す「衣、食、住、行(交通)」を全て押さえていることだ。日々の暮らしを網羅するサービスを、グループ内で作り上げている。

 アリババはコアコマース(ネット通販)、デジタルメディアとエンターテインメント、クラウド、イノベーションイニシアチブ、金融の5分野でサービスを提供している。

 アリババの張勇CEOは「皆が知っているECのアリババはデータ企業に変わりつつある」としたうえで「EC、金融、物流、クラウドおよびエンターテインメントはデータを生み出す重要なシーンとなる。アリババは生み出されたデータによって駆動し、様々な業界の発展を促す」と発言している。

 言い換えると、ビジネスを通して生み出した様々なデータを活用して新たなニーズを発見し、そのニーズに沿ったプロダクト(サービス)を提供する。アリババはこのような、データを中心としたビジネス運営サイクルを作ろうとしている。

 近年特に力を入れているのがネット通販と実店舗の融合だ。「ニューリテール」というキャッチフレーズを掲げ、実店舗を持つ小売業への参入を試みている。デパートやスーパーマーケットを運営する企業への戦略投資と買収を先行させ、アリババのノウハウとテクノロジーを使ってこれらの企業のデジタル変革を推進していく。

盒馬鮮生の店内の様子(写真撮影:趙 瑋琳)
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図 アリババが運営する盒馬鮮生の特徴と動向
スーパーマーケットをデジタル化(出所:アリババ2019年度第3四半期(18年10月~12月)レポート、各種公開報道を基に作成)
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 2018年末時点で総合スーパー、サンアート・リテールの約470店舗のデジタル化を終え、ネット通販の淘宝(タオバオ)のスマホアプリから商品を注文できるようにしている。

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