米国からの激しい攻撃にさらされる中国ファーウェイ(華為技術)。携帯電話基地局のシェアは世界1位、スマートフォン出荷台数が世界2位の同社に対して、米国政府は調達先から排除したうえに、米国企業に製品調達の停止や米国部品・技術の輸出を禁じる措置を講じた。

 米国政府がファーウェイを締め出す狙いは「5G(第5世代移動通信システム)」分野での躍進を食い止めることにほかならない。5G分野でファーウェイは米国が恐れるほどの実力を備える。5G標準に関する世界の主要企業の特許件数で、ファーウェイは1970件(2018年末時点)と最も多い。

 ファーウェイが5GのR&D(研究・開発)を開始したのは2009年。当時は2Gで他社を後追いする立場だったが、5Gでリードするという目標を立てた。

 目標達成に向けR&Dに多額を投じ、5Gに関する技術開発や標準の策定、提携推進、戦略提言、商用化トライアルなどを続けて優位に立った。ファーウェイ創業者の任正非CEO(最高経営責任者)は最近のインタビューで、5Gにおいて「ファーウェイは他のプレーヤーを少なくとも2~3年はリードしている」と話した。

図 2018年ファーウェイ主要サプライヤー大会の中国国外の受賞企業
中国国外にも多数の主要取引先を持つ(出所:2018年ファーウェイ主要サプライヤー大会の公開情報を基に作成)
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 中国国外では2015年の欧州研究所の設立を機に、欧州の5G関連団体「5G-PPP(5G Infrastructure Public-Private Partnership)」に参加。欧州を重点地域と位置付け、標準化や実証実験などで積極的に活動してきた。

 中国国内でファーウェイは今年2月、中国通信大手チャイナモバイルの子会社である上海移動と提携し、巨大ターミナル駅である上海虹橋鉄道駅で5Gネットワークの設置工事を始めた。年内の完成を目指している。

 中国政府は2015年以降、5Gを推進する政策を相次ぎ打ち出し5Gの商用化に向けた動きを加速させている。ただしファーウェイの5G分野での活動は中国政府が産業政策を発表する前に始まっており、その恩恵をそれほど受けているわけではない。

 ファーウェイに対する米国の攻撃がどう推移するかは現時点では見通せない。ファーウェイが思惑通り全世界市場で5Gの覇者になるか。それとも限られた地域の王者にとどまるか。先行きは不透明だ。

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