人手不足や人口減少が続くなか、国内ロボット市場が急成長している。3年後には2017年比2倍の2兆円規模に達する勢いだ。人工知能(AI)を搭載し、自律して動く多数のロボットが様々な現場で活躍し始めている。接客、建設、物流、警備、医療、農業――。さらなる効率化や業務のデジタル化に向けたヒントが満載だ。最新鋭の40機をまず押さえ、自社での活用法を探ろう。

 現場の労働力不足が深刻化する建設や物流の現場。力仕事を代替するロボットの活用が活発になってきた。清水建設や大和ハウス工業などユーザー企業主導の活用が進む。

AIロボ 8号機 Robo-Buddy(ロボバディ)など

「職長」がロボを統括建設、現場の人不足解消

 清水建設はロボットによる建設作業の自動化を中核とする生産システムの次世代構想「シミズ・スマート・サイト」を推し進めている。組み合わせるロボットは3種類で、天井を施工する「Robo-Buddy」、資材を搬送する「Robo-Carrier」、鉄骨を溶接する「Robo-Welder」だ。

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 Robo-Buddyは人と同じように2本の「アーム(腕)」を持つ。片腕で天井ボードを固定して、もう片方の腕でビス止めをする。Robo-Carrierは米アップルの「iPad」で資材の種類や持っていく場所を入力すると、資材置き場からフォークリフトのように資材を自動で持ち上げて、自動運搬する。エレベーターへの積み込みも可能だ。Robo-Welderはセンサーで溶接の状況を3次元で計測して狂いがないように調節し続ける。

 そんなロボットたちの「職長」を務めるのが「Robo-Master」と呼ぶ統合管理システムだ。全国100カ所の現場で働く8000台のロボットやエレベーターを統合管理できる。現場の担当者がiPadを使って作業指示を出すと、Robo-Masterを通じて各ロボットに指示が伝わる仕組みだ。ロボットのセンサーが収集したデータをリアルタイムに収集し、作業の進捗状況も逐一把握できる。

 建設現場の人手不足が深刻化するなか、清水建設の坂本真一生産技術本部副本部長は「将来的には人とロボットが協調する現場を目指す」と意気込む。今秋から大阪府にある高層ホテルの工事現場で3種類のロボットを本格稼働させる。2019年からは首都圏の大規模現場でもロボットを使った自動化に取り組む考えだ。

AIロボ 9号機 アクティブロボSAM(サム)

建機を手軽に遠隔操縦、「人工筋肉」を12本搭載

 水陸両用車などの特装車を製造販売するコーワテックが開発したロボットが、建設機械を操縦する「アクティブロボSAM」である。同ロボはチューブを空気圧で筋肉のように操れる「人工筋肉」を計12本備えており、作業担当者が無線送信機(コントローラー)を使って遠隔操縦する仕組み。

写真提供:コーワテック
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 建機を遠隔操作する際は建機の操縦席にアクティブロボSAMを据え付ける。既に東京電力福島第一原子力発電所の廃炉現場などで稼働実績があるという。

 建機の遠隔制御といえば、人がコントローラーを使って建機そのものを操縦する「ラジコン型」が一般的だ。しかし、建機の運搬に手間がかかるのが難点だった。この点、重さ47kgのアクティブロボSAMは3つに分解して持ち運べるため、機動力が増す。

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