人手不足や人口減少が続くなか、国内ロボット市場が急成長している。3年後には2017年比2倍の2兆円規模に達する勢いだ。人工知能(AI)を搭載し、自律して動く多数のロボットが様々な現場で活躍し始めている。接客、建設、物流、警備、医療、農業――。さらなる効率化や業務のデジタル化に向けたヒントが満載だ。最新鋭の40機をまず押さえ、自社での活用法を探ろう。

 百貨店やホテルの入り口で客を出迎えたり、ルームサービスや荷物を届けたりするロボットが増えている。プロ並みのもてなしを支えるのは音声認識や地図作成といったAI技術だ。

AIロボ 1号機:Siriusbot(シリウスボット)

客を店までご案内、閉店後は棚卸しも

 「Siriusbot」は商業施設や小売店内で接客業務や棚卸し業務を手伝うロボットだ。地方独立行政法人の東京都立産業技術研究センター、パルコ、日本ユニシス、ロボット開発の08ワークスが共同開発した。2018年5月から名古屋PARCOで、2017年10月から池袋PARCOなどで、実証実験を始めた。

写真提供:日本ユニシス、パルコ
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 「子供服の売り場はどこですか」。Siriusbotに話しかけると、音声認識AIで解析し、店名や場所などを説明する。日本語だけでなく英語でも対話できる。

 店舗の場所までゆっくりと自律走行して案内する機能も備え、搭載した対物センサーで店舗の看板や人を検知して自動的に避けながら進む。店舗に到着後、案内終了ボタンを押すと自動的に元の場所に戻る。施設内の各所にSiriusbotと連動したAlexa搭載のAmazon Echoを設置しており、客が話しかけると目の前まで呼び出せる。

 閉店後もSiriusbotの仕事は終わらない。専用アンテナを取り付け、店内を自律走行しながら商品の電子タグ(RFID)を読み込んで棚卸しをしていく。商品が重なってRFIDを読みこぼしたり、タグのコストがかかったりといった課題はあるものの、人手での棚卸しより大幅な省力化が見込めるという。パルコの野中健次グループICT戦略室業務部長は「ロボットに任せるところは任せ、店員が接客や販売に集中できる環境に近づけたい」と期待を寄せる。

AIロボ 2号機 店舗内配膳用ガイドレスAGV

座席まで食事をお届け、店内を器用に走行

 都内の新名所として賑わう「東京ミッドタウン日比谷」。その6階にあるカフェ「Q CAFE by Royal Garden Cafe」では、2018年3月29日のオープン初日から1台のロボットが食事を届けたり食器を回収したりしている。ピコンピコンと電子音を出しながら、時にはウインカーをつけてテーブルの間をゆっくりと器用に移動する。来店客は皆、食べる手を止めて見入っていた。

写真提供:シャープ
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 行先は10カ所まで登録でき、店員はロボをスタート位置にセットしたら行き先を指定する。開発元はシャープ。倉庫の荷物搬送などに使う「AGV(オートマチック・ガイデッド・ビークル)」を改良した特注品という。2018年7月から音声ガイドで「料理をお取りください」などと客に依頼する機能を加える計画だ。

AIロボ 3号機 unibo(ユニボ)

施設や天気を案内、「変なホテル」で活躍

 ロボットを使った省力運営で話題の「変なホテル」。6カ所目となる「変なホテル東京 浜松町」が2017年4月に開業して以来、フロントコンシェルジュとして働くロボットがユニロボット製「unibo」だ。

写真提供:アルメックス
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 音声認識AIを備え、宿泊客の問いかけに合わせてホテル館内の施設や近隣の店舗を案内したり、天気予報を伝えたりする。飲食店予約サービスのぐるなびと連携し、uniboの顔部分にある7型ディスプレーに飲食店の案内地図などにリンクしたQRコードを表示することも可能だ。

 uniboのカスタマイズを請け負ったのはUSEN-NEXT HOLDINGS傘下のITベンダーであるアルメックスだ。同社の田畑和弘取締役は「宿泊者からは非常に好評だ」と満足げに話す。会話ログを見ると、日中だけでなく深夜も頻繁に話しかけてくれているという。2018年6月に英語や中国語への対応に向けた検証を開始した。

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