Pythonはなぜ書きやすいのか。弱点はあるのか。AI以外は何に使えるのか。AIライブラリーは誰が開発しているのか。企業が使うにはいくらかかるのか。Pythonについて誰もが抱くであろう10個の疑問に答える。

Q1 なぜ書きやすい?

A 面倒な「型宣言」が不要

 Pythonはプログラムのソースコードが書きやすく、他人の書いたソースコードでも読みやすいと言われる。その理由は大きく3つある。

 第1はライブラリーの充実だ。機械学習など第三者が作った外部ライブラリーだけでなく、Python本体が同梱する標準ライブラリーの機能も豊富だ。これによりCSVファイルを操作したりWebサイトにアクセスしたりする処理が数行で書ける。

 第2はPythonが変数の型が実行時に決まる動的型付けを採用するため、プログラムを書くときに型を意識しなくていいことだ。Javaなど他の言語なら値が文字列型か、整数型か、浮動小数点型かなどを意識しなければならず、型が合わなければエラーになる。静的型付けを採用するからだ。

図 CSVファイルを読み込んで表示するPythonプログラムの例
少ない行数で機能を実現
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 東京工科大学コンピュータサイエンス学部は2019年度から1年生約300人を対象にPythonを必修化した。従来はJavaやCを教えていたが、プログラミング初心者にとってデータ型の概念は最初につまずきがちな点だ。田胡和哉教授は「JavaやCとは違い型の概念を教えなくてもすぐ本題に入れる。学生にとって分かりやすい」と評する。

 この特徴は欠点にもなる。Pythonコードを見てもどの変数にどんな型の値が入っているかが一目で分からない。田胡教授は「大規模プログラムだと型の柔軟さのために処理内容を事後に把握しづらく、保守が難しくなる。この点ではJavaのような型に厳格な言語のほうが有利だろう」と見る。

 第3はインデント(字下げ)の使い方だ。PythonのコードにはJavaなど他の言語にありがちな波かっこの{}があまり見当たらない。その代わりに繰り返し文(for文)の固まりなどを示すのにインデントを使う。見た目がシンプルになるうえ、プログラムが複雑になっても波かっこの対応関係に煩わされることがない。メルカリでAI開発を手がける松枝知香ソフトウェアエンジニアは「誰が書いても似た見た目になる。自分も見やすいし他人のコードも見やすい」と話す。

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