ユーザー企業はコスト削減を目的に多くのシステム子会社を設立してきた。
中には親会社が経営破綻したり買収されたりして、全く別の社名に変わったり、会社が無くなってしまったケースもある。2000年前後の大型ITアウトソーシングのブームに乗ってITベンダーに買収されたところも数多い。一方で、親会社の傘下のまま、ITベンダーをしのぐ実力を付ける子会社も。
経緯や最新の経営状況は様々だが、金融危機やデフレ、親会社の都合に翻弄されながら生き延びてきた点は共通する。独自の取材と調査により、全国200社の「今」に迫る。

マイカル、山一証券、シャープ̶̶。親会社が経営破綻したり買収されたりした後、残された子会社はどうなったのか。20年以上の時を遡り、現在までの波乱万丈ともいえる道のりをたどる。

経営破綻した当日のマイカルの「SATY」店舗(2001年9月14 日、北九州市 写真:読売新聞/アフロ)

 「親会社の破綻を経てここまで来るとは」。小売り向けにPOS(販売時点情報管理)システムやMD(マーチャンダイジング)システムなどを手掛けるヴィンクスの長田光男執行役員は東京証券取引所市場の第1部に上場した2017年10月、感慨深げにつぶやいた。

 同社は現在富士ソフトの子会社だが、長田執行役員の言う「親会社」とは富士ソフトではない。かつて親会社だった、総合スーパーのマイカル(現イオンリテール)を指している。ヴィンクスは1991年の設立当時、マイカルシステムズという社名だった。

 マイカルが経営破綻したのは17年前の2001年のことだ。関西地方を中心に「SATY」などのブランドで店舗を展開していた同社だったが、1兆円超の有利子負債を抱え、同年9月14日に民事再生法を申請。同年に支援を表明したイオンの子会社となり、2011年にイオン子会社のイオンリテールに統合された。

 子会社のマイカルシステムズにも親会社の経営状況は当然ながら伝わっていた。経営破綻を前に同社内では「親会社にもう頼れないと議論になり始めていた」。こう話す長田執行役員は1985年にマイカル(当時ニチイ)に入社し、1991年のマイカルシステムズ設立と同時にマイカルから転籍した経歴を持つ。

 親会社がイオン傘下入りする一方で、マイカルシステムズは2002年に富士ソフトABC(現富士ソフト)に売られた。富士ソフトの狙いは小売りや流通分野の事業拡大だった。前年には経営危機に陥っていたダイエーのシステム子会社であるダイエー情報システムも買収している。

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