RPAはOCRやAIなど他の技術と組み合わせるとさらに効果的だ。例えば紙文書を扱う作業はOCRと組み合わせれば自動化できる。IoT機器の操作やデータ収集にRPAを活用する企業も出始めた。

 日本企業のオフィスワークには「業務担当者が請求書や申込書といった紙の文書を見て、内容を業務システムに打ち込む」といった作業がいまだ多く残る。RPAを使えばこうした作業もなくせる。

 紙文書の内容はOCR(光学的文字認識)ソフトによってテキストデータにする。そしてOCRソフトとRPAを連携し、OCRで読み取った紙文書の内容をソフトロボによって業務システムに入力させる。三菱重工業やニチレイロジグループ、オリックスグループの事務処理を担うオリックス・ビジネスセンター沖縄(OBCO)などがそうだ。各社はこれまで人間の担当者が担っていた入力作業を、OCRとRPAの組み合わせに置き換えようとしている。

 OBCOは2016年からRPAの導入を始めて約100台のソフトロボを活用している。平良一恵オペレーション事業本部副本部長は「OCRとRPAを組み合わせて試行したところ、業務担当者が紙文書を見てデータを作る手間が省けた」と話す。一方で課題も見えてきた。「OCRは100%正確に文字を読み取れるわけではない。業務担当者がOCRの読み取り結果を確認する必要がある」と松田貴久美業務編成部マネージャーは指摘する。

 OCRが読み取ったデータを確認する作業に工夫を凝らしているのが住宅ローンを手掛けるアルヒだ。ポイントは文書の種類を判別するAI(人工知能)とOCRを組み合わせた新技術「AI OCR」を採用したところにある。

 同社は2019年1月、顧客が住宅ローンを正式に申し込んだ際の「本審査業務」にAI OCRとRPAを導入した。住宅ローンの審査には、申し込みを検討中の顧客の返済能力などをその場で確かめる「事前審査業務」と、正式な申し込みに際しての本審査業務の2つがある。まず前者の事前審査業務について2017年1月にOCRとRPAを導入。それまで事前審査の結果を出すのに1時間かかっていたところを、10分に短縮できたという。

図 アルヒが2019年1月に整備したAI OCRとRPAを組み合わせた住宅ローンの申し込み手続きの流れ
紙文書の文字を読み取りチェック作業も効率化(画像提供:アルヒ)
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 続いて本審査にRPAを適用する際に、審査に伴う確認作業の自動化を図った。審査業務で使う紙文書は手書きのローン申込書や住民票、源泉徴収票など多岐にわたる。従来はベテランの担当者が紙文書の内容を目視で確認していた。

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