ビッグデータというとその量に目が行きがちだが、質も重要になる。最大のリスクはコストをかけても重要な情報をデータから引き出せないことだ。セキュリティーや分析担当者の力不足などビッグデータに関するリスクを押さえよう。

 本連載はAI(人工知能)時代に求められるIT監査のあり方について、内部監査人の立場から解説する。

 「AI時代」と題しているが、AIの影響のみを対象にしているわけではない。アジャイル開発やクラウドコンピューティング、ビッグデータといった、AIとともに急速に普及してきたIT関連の事象を、内部監査時にどのように扱うべきかを広く取り上げていく。

 監査人の視点を知ることは、監査を受ける側となる情報システム部門やユーザー部門に所属する情報システムの管理者などにも役立つ。監査人の視点は、日ごろの情報システムの開発や運用において重視すべき視点となるからだ。

 今回からビッグデータを取り上げる。AIを活用するためにも欠かせないビッグデータだが、単なる大量のデータを指すだけではない。量だけではなくその特徴、リスクを踏まえて、管理体制を構築する必要がある。また内部監査ではビッグデータの特徴を踏まえた監査が求められる。今回はビッグデータの特徴やリスクについて解説していく。

広義と狭義の意味を押さえる

 ビッグデータという言葉を頻繁に見るようになっている。そもそもビッグデータは業務システムなどに蓄積されている既存のデータと比べて何が違うのだろうか。ビッグデータの大まかな定義は「従来活用されてきたデータベース管理システムやアプリケーションで処理することが困難なほど、膨大で複雑かつ様々な形態のデータ集合体」と定義できる。

図 ビッグデータの概念
狭義と広義の定義が存在する(出所:総務省「情報流通・蓄積量の計測手法の検討に係る調査研究」(2013年))
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