営業活動の第一歩は顧客訪問のアポイントメントを取ることだ。しかし、アポ取りは営業に転向したSEにとって最初のハードルになりやすい。アポを上手に取り付け、受注確度を高めるコツを紹介しよう。

 この連載ではSEから営業職に転向した人に向けて、SEの強みを生かした「ロジカルセールス」の進め方を筆者の経験とノウハウを基に具体的に説明しています。

 前回はイントロダクションとして、SEと営業の仕事の違いや、SE出身の営業職のメリット、デメリットを説明しました。今回から具体的な営業方法の説明に入ります。

 商品の情報を提供したり、リード(引き合い)を獲得したりする営業活動で、いまやインターネットは欠かせません。ただ、企業向けのIT商材の営業活動が、ネットだけで完結することはめったにありません。多くの場合は営業担当者が実際に顧客と対面で折衝します。

 このためネット全盛の現在でも、顧客との対面営業をいかに進めるかが大切になります。営業活動の第一歩は、顧客訪問のアポイントメントを取ることです。今回はアポイントメントの取り方について見ていきます。

電話でのアポ取りは苦労の連続

 商品・サービスに関して、ネットで問い合わせてきた。セミナーや展示会に来てくれた──。こうした見込み客に対し、訪問のアポを取るのは営業ではよくあります。

 ネットから問い合わせてきた見込み客に対するアポは、比較的取りやすいものです。その人はそもそも製品やサービスに興味があって、連絡しているからです。

 これに対して展示会の来場者にアポを取るのはなかなか困難です。製品やサービスに興味を持っていない人が多く、メールを送っても返信のないこともしばしばです。電話をかけると「忙しいのに電話してくるな」と言わんばかりの態度を取られることも実際のところ少なくありません。

 筆者も苦い経験があります。営業職に就いたばかりのころ、あるITベンダーのセミナーで事例講演を担当しました。講師を務める代わりにセミナーの来場者リストを本人の許諾を受けたうえで入手。そのリストを基にアポを取り、訪問して営業する、というストーリーを立てたのです。

 セミナーの後、アポを取ろうと参加者に電話をかけました。ところがほとんどの相手は「忙しいので時間が取れない」「来てもらうまでもない」などと反応が悪く、全くアポが取れなかったのです。

 このときは何人かに無理やりお願いして、押しかけるように訪問しました。当然ですが、そんな状況で訪問しても雰囲気が良くなるはずもありません。具体的な商談にはつながらず、徒労に終わりました。

 アポが取れないのに電話をかけ続けるのは、精神的に非常につらいものがありました。しかもせっかく訪問しても、顧客も筆者も時間を浪費するだけに終わりました。

アポを取るのは「受注」するため

 見込み客に対し、どうすればアポがうまく取れるのでしょうか。それを考えるためには、「そもそも、なぜアポを取るのか」を理解する必要があります。

 なぜアポを取るのでしょうか。それは訪問するためではありません。訪問自体が目的ではなく、「受注」するためにアポを取るのです。

 発注しない顧客にアポを取っても意味がありません。受注が目的なのですから、当然ですね。また、受注できる確率を下げてしまうようなアポの取り方もご法度です。

 つまり、アポをうまく取るためには、いかに受注につなげるかを考える必要があります。もう少し広い視野で、アポ取りを捉えてみましょう。

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