誰でも一度は「確認していなかった」という失敗経験があるはずだ。かといって、ルールを守らせるために再教育をしてもまた繰り返すだけ。確認する必要がないように工夫するなど、実効性のある対策を考えよう。

 ルール通りに業務が実行されなかった理由としてまず挙げられるのは、「確認していなかった」「チェックしていなかった」の2つだ。なぜなぜ分析の経験がある人は、過去の報告書などを見返してみよう。きっと「確認していなかった」「チェックしていなかった」が見つかるだろう。

 2つの再発防止策は同じようなものばかり。「確認していなかった」を安易にルールを守っていなかったと解釈し、「ルールを周知徹底する」といったお決まりの対策を出す。

 揚げ句の果て、当事者や関係者にリスク意識が低いといった烙印を押して「意識改革が必要だ」となる。だが冷静に考えてみてほしい。これで本当にミスがなくなると思えるだろうか。

他人の失敗を自分に置き換える

 どんなに優秀な人でも「確認していなかった」「チェックしていなかった」という失敗を経験している。そんなとき私たちは、次は確認するように、あるいはチェックを忘れないようにと思い、何らかの工夫を考えるものだ。

 それはなぜなぜ分析でも同じこと。失敗を他人事と考えているうちは、「ルールの周知徹底」「意識改革」といった対策しか出てこない。

 そうではなく、自分が同じような失敗をしたときの経験に置き換えて考えてみる。失敗の原因を突き止めるときには大事なことだ。誰でも経験があるミスは、自分自身の出来事に置き換えてみる癖を付けよう。

 すると「確認していなかった」「チェックしていなかった」の「なぜ?」を考えたとき、いきなり「ルールを守っていなかった」とはならないはずだ。「確認していなかった」「チェックしていなかった」の場面ではまず、大きく2つのケースがあることが見えてくる。

 2つとは「いつも確認していなかった」と「たまたま確認していなかった」である。同じ「確認していなかった」が副詞の違いによって大きく変わる。「いつも」と「たまたま」とでは、状況が全く異なる。

図 「いつも」と「たまたま」をはっきりさせないまま分析した例
安易な「なぜ?」の繰り返し
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