なぜなぜ分析では文章の表現力を求められる。気にかけてほしいのは、割合や頻度などを示す副詞の活用だ。ミスを記述する際は、前日との違いなど比較対象を明確にする。

 文章の書き方次第で「なぜ?」は変わる。「なぜ?」を繰り返すときに重要なのは、事象や「なぜ?」をどれだけ正確に表現できるかだ。

 文章の表現力は物事の観察力と表裏一体の関係にある。正確な文章を書こうと思えば、相応の観察力が求められる。観察力を上げない限り、正確な文章など書けない。

 では、正確に書くにはどこに注目し、どんな表現を心がければいいのだろうか。まず気にかけてほしいのは「副詞」だ。副詞に相当する表現を意識的に加えることで、事象が起きた「分量」「割合」「順番」「頻度」「傾向」がはっきりする。

 物事をじっくり考えるには、一つひとつの事象を正確に捉えようとする努力が欠かせない。そしてその表現には私の経験上、副詞の要素が不可欠になってくる。副詞の有無や種類によって、私たちの思考は大きく変わるのだ。

 「××に顧客データが入っていなかった」という文章を書いたとしよう。この表現では「どのくらいの分量で」、あるいは「どんな割合で」顧客データが入っていなかったのか、はっきりしない。

 目前に発生したトラブルを単に「顧客データが入っていなかった」とだけ捉えて原因追究に入ると、おかしな結論になりかねない。というのも「全ての顧客データが入っていなかったケース」と「一部の顧客データが入っていなかったケース」を混同して考えてしまいかねないからだ。

 「なぜ顧客データが入っていなかったのか?」を考えていく場面を想像してほしい。一部の顧客データが入っていなかったトラブルが起き、分析を始めた当初は一部のデータが入っていなかった事象だと、ちゃんと分かっていたとする。ところが検討を進めていくうちにいつの間にか、一部の顧客データが入っていなかった話であることを、すっかり忘れてしまう人が出てくることがある。

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