店舗の不振とIT大手による攻勢などの苦境に、小売り各社が立ち向かい始めた。コナカやマツキヨ、東急ハンズなど6社の奮闘ぶりを追う。

 東京都港区六本木の交差点。昼夜問わずクルマと人であふれかえるその場所に2017年11月に現れたアパレル店舗がある。紳士服のコナカが運営するオーダースーツ業態「DIFFERENCE(ディファレンス)」だ。驚くのは店内の面積だ。45平方メートルほどしかない。最も小さい店舗は20平方メートル強と、アパレル業態の中で狭さが際立つ。コナカが展開する都心型店舗スーツセレクトの平均店舗面積は200平方メートル程度だ。六本木の店舗は元携帯ショップだった。ディファレンスの中嶋傑ゼネラルマネージャーは「これくらいの大きさの店舗は使い勝手がよいとは言えず、(借りてほしいとの)売り込みが絶えない」と明かす。

紳士服のコナカが運営する「DIFFERENCE」の六本木店。携帯ショップ跡地に進出した
(写真:北山 宏一)
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 ディファレンスが他のアパレル事業や従来のオーダースーツ事業と一線を画すのは店舗の大きさだけではない。「徹底的にスマホ時代に合わせている」(中嶋氏)のが特徴だ。来店して採寸をすれば、2回目からの注文はWebでできる。Webでの注文のしやすさにもこだわった。例えば生地やフィッティングイメージは、あえてCGを使うことで生地の風合いを分かりやすく表現した。実際の生地のサンプルをスキャンし、CGデータを作成する。型紙も実際のスーツの型紙にならって3DのCGスーツを作った。

 CGは動画制作に強い東北新社の子会社オムニバス・ジャパンが手掛ける。CG制作チームはスーツ作りについてパタンナーから何度もレクチャーを受け、忠実なイメージ再現を試みた。CGは表現力だけでなく、コスト削減にも寄与する。ディファレンスで扱う生地の種類は年間300~320種類。「いちいち撮影していては、手間とコストの負荷が大きすぎる」(中嶋氏)。

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Web上の生地やフィッティングのイメージは写真ではなくあえてCGで表現する
(写真提供:コナカ)

スマホから裁断機にデータ直送

 スマホ時代の「時間の使い方」にも注目した。従来のオーダースーツであれば、来店して採寸したらその場でオーダーするのが一般的だ。そのため顧客の1回の滞在時間は1~2時間に及ぶ。一方ディファレンスの場合、採寸だけに来店することも可能。「退店後、電車の中でスマホからオーダーしてもらえばいい」(中嶋氏)。そのため、30分程度の来店時間で済むという。

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