2019年4月1日、政府は働き方改革に向け大幅に改正した法律を施行する。働き方改革、待ったなし。先進事例に学び、直前対策を急ごう。

残業を減らしたいが、デジタル技術をどう使えばいいのか―。こう悩む人に3社の成功事例を示そう。ノートアプリ、ビジネスチャット、タブレットだけでこれだけできる。

豊島区
議事録もノートアプリに 会議効率化、残業2割減

 一時の財政難を行財政改革で抜け出した東京都の特別区、豊島区は2016年からデジタル技術を駆使した働き方改革に乗り出している。限られた職員数で効率よく行政サービスを提供するためだ。

 施策の中で際立つのが会議の効率化だ。「会議はペーパーレスで1時間以内」というルールを設けたうえで、米マイクロソフトのノートアプリ「OneNote」を徹底的に活用している。

図 豊島区が取り組む会議効率化の施策
ノートアプリを使って会議時間を短縮(写真提供:豊島区)
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 まず担当職員は会議前にOneNoteで会議資料を作る。資料はOneNoteのテンプレート機能を使って件名や内容などを整理して出席者と共有。会議の場では会議室のディスプレーにOneNoteの画面を表示して議論する。秋山直樹情報管理課長は「参加人数分の資料を印刷したり、内容を差し替えたりする手間が省けて、会議の準備が楽になった」と語る。

 会議中は参加する職員がOneNoteに議論の内容や決定事項を都度書き込み、それを議事録としている。「出席者が書き込み内容を確認しながら会議を進めるため、内容が実際の議論と異なることはほとんどない。以前のように内容が不十分であとから再確認する手間も省けている」(秋山課長)。

 議事録をはじめとする会議資料はOneNoteなどを通じて他の部署にも公開・共有している。「他部署の決定事項を知りたいときは、まず議事録を検索・確認すれば済む。担当者への問い合わせに時間をかけることなく仕事を進められるケースが増えた」(坂本大行政経営課行政経営担当係長)。

 ノートアプリは一般に個人が使うITツールだが、豊島区はノートアプリ上のコンテンツを共有できる点に着目した。複数の職員が議事録を共同で作成したり、議事録を他部署に公開することで問い合わせの手間を減らしたりする、コミュニケーションの手段として活用している点が先進的だ。

 このほか、管理職が外出先からタブレットでワークフローシステムにアクセスして承認作業を進められるようにしている。「担当する仕事で上司に承認を求めたいが、外出中のため戻ってくるまで確認を待たなければならない」といった部下の仕事の停滞を防いでいる。一連の取り組みで、2015年度に月平均9.2時間だった残業時間は2017年度には7.6時間まで減った。

図 デジタル技術の活用例
仕事はまだまだ効率化できる
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