2019年4月1日、政府は働き方改革に向け大幅に改正した法律を施行する。働き方改革、待ったなし。先進事例に学び、直前対策を急ごう。

デジタル技術の発展でオフィス以外の場所で働くテレワークが容易になった。移動時間がなくなると残業が減り、休みやすくなり、生き生きと仕事ができる。ただ、いいことずくめなのか。東急電鉄やJAL、アフラック生命、GDOの取り組みを見てみよう。

東京急行電鉄
本社には立ち寄り不要 「秘密基地」の利用6倍増

 東京急行電鉄は東京・渋谷にある本社から離れた場所に設置した「サテライトオフィス」で勤務できる働き方改革を2016年9月から進めている。狙いはオフィスワークの生産性向上や、直行直帰によって生まれたプライベートな時間を有効活用して活力を養ってもらうことにある。

 サテライトオフィスは東急田園都市線の二子玉川駅やたまプラーザ駅などにある。いずれも駅から徒歩数分という近さだ。パソコンや通信環境などを整備し、情報セキュリティーを保った状態で社内システムにアクセスできるようにしている。

(写真提供:東京急行電鉄)
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 同社が取り組むサテライトオフィス勤務はノートパソコンやスマートフォンなどを使ってオフィス以外の場所で働く「テレワーク」の一種である。一般にオフィス以外の場所は雑務や会話に邪魔されないため、テレワークは集中力が高まり、生産性が上がるとされる。会社でも自宅でもないところでリラックスして自らの仕事に集中できる、いわば「秘密基地」のような存在だ。勤務中の移動時間も減らせるため、日本テレワーク協会によると「テレワークに取り組む企業の中には残業時間を半減させた企業もある」という。

 東急電鉄は制度の対象を本社オフィスなどで働く事務部門の社員約1500人としている。東急の各沿線で住宅の賃貸や販売といった不動産事業や、商業施設の開発・運営といった生活サービス事業に携わり、仕事で沿線の客先を訪問する社員も少なくない。

 労働実態に即した施策であるため、サテライトオフィスの勤務は本社社員に好評という。下田雄一郎人材戦略室労務厚生部統括部長は「月間の利用者数は2016年の開始当初は100人程度だったが、2年ほどたって6倍まで増えた」と話す。サテライトオフィスの月間利用時間は多いときで合計6000時間を超える。社員1人当たり、1回3時間半程度滞在している計算という。

 以前は出先から電車で一旦本社に戻って残業する社員が少なくなかった。パソコンを使った仕事に集中できる場所が本社に限られていたからだ。

図 東京急行電鉄のテレワークの概要
サテライトオフィスで移動時間を削減
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 サテライトオフィスに勤務できるように変えてからは「外出先から本社に戻らず、近場のサテライトオフィスに立ち寄って残務を終わらせてから直帰する」「客先から別の客先を訪問する間にサテライトオフィスに寄り、隙間時間で仕事をこなす」といった働き方が浸透しているという。

 サテライトオフィスには自社事業の「NewWork」を使う。東急電鉄は沿線企業向けにNewWorkを働き方改革の支援策として展開する一方で、自社も利用することで、不動産や生活サービスなど、沿線の付加価値を向上させる場として重視しているといえる。

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