2019年4月1日、政府は働き方改革に向け大幅に改正した法律を施行する。働き方改革、待ったなし。先進事例に学び、直前対策を急ごう。

4月に働き方改革関連法が施行され、月45時間の残業規制と年5日間の有給休暇取得が義務化される。法対応を機に、企業は抜本的な働き方改革へとつなげたい。

 「長時間労働を是正していく。そして、非正規という言葉を一掃していく。子育て、あるいは介護をしながら働くことができるように、多様な働き方を可能にする法制度が制定された」。2018年7月の成立時に安倍晋三首相がこうコメントした「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、働き方改革関連法)」が、2019年4月1日にいよいよ施行される。

 同法により、労働基準法や労働安全衛生法など、複数の労働関連法律をまとめて改正する。厚生労働省の関口洸哉労働条件政策課法規第二係長は「働きたくても働けない人や、働く意欲を持てない人がいなくなるように法律を改めた」と話す。

 改正点は多岐にわたる。例えば正規雇用と非正規雇用の社員間の待遇差を解消する「同一労働同一賃金」の導入や、退勤から翌日に出勤するまでの休息時間を一定以上確保する「勤務間インターバル制度」の導入促進などだ。

図 働き方改革関連法の改正ポイントと対応期限
施行は目前だが対応には猶予が
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政府は本気、違反企業に罰則

 中でも政府が企業に強く順守を求め、企業が人事施策と情報システムの見直しに迫られそうな改正内容が2つある。「時間外労働の上限規制」と「年次有給休暇の確実な取得」である。

 これらを企業の義務と位置付け、違反内容によっては罰金や懲役といった罰則を科す。2016年から肝煎りで働き方改革を進めてきた安倍内閣の本気度が伝わってくる。

 時間外労働の上限規制とは、企業が社員に残業をさせる際、「残業時間は月45時間まで」といった制限を義務付けることを指す。社員の健康を確保したり、社員が仕事と家庭を両立したりできるようにするのが狙いだ。

 残業時間の上限はこれまでも「36(サブロク)協定」に関する行政指導の目安として一部存在した。社員に残業させる場合、企業は労働基準法第36条に基づき、あらかじめ労使間で36協定を結んでおく必要がある。

 このルールは今後も変わらないが、残業時間の上限を規制の条件として労働基準法に盛り込む点が変わった。企業が上限を超えて社員に残業させた場合、内容によっては政府は経営者らに6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。

 年次有給休暇の確実な取得は社員に少なくとも年5日の有給休暇を取得させる義務を企業が負うという内容だ。社員の疲労を回復させて生産性を高める狙いである。対象は年10日以上の有給休暇を付与された社員。パート社員やアルバイトも含む。

 年に5日休めそうにない社員がいれば、企業は当該社員と相談したうえで、時季を指定して休ませなくてはいけない。年5日の有給休暇を取らせていないなどの法律違反に対しては、政府は30万円以下の罰金を科す。

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