電話からメールやSNSへと情報共有の手段は進化を遂げた。一方で進化するほど依存度が高まり、使えない時の影響は大きくなる。過去を教訓に、IT企業や携帯大手は「つながらない」を無くす努力を重ねる。

 情報が錯綜(さくそう)し、誰もが右往左往する災害の現場で、いかに人々をつなぐことができるか。互いの安否を確認することはもちろん、自治体で働く者同士がいかにスムーズに連携を取りながら被災者を支援できるか――。企業や自治体は最新のITで「つなげる」力を磨き上げてきた。

東日本の経験、熊本で生きた

 日本マイクロソフトは2016年4月14日に熊本地震が起こった後、同社のクラウドサービス「Office365」を使った情報共有サービス「くまもとRねっと(以下、Rねっと)」を早期に展開し、自治体と避難所の情報共有を支援した。

図 日本マイクロソフトが熊本地震で取り組んだ情報共有クラウド「くまもとRねっと」の概要
避難所を「情報武装」する
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 Rねっとは避難者名簿や支援物資の管理表などを格納するファイルサーバーと、担当者間の連絡に使う掲示板、メール機能などから成る。4月25日にテスト運用、5月6日に本格稼働したところ、すぐにアクセスが殺到。5月のアクセス数は約14万件、利用者数は約1700人となった。迅速な対応の裏には、その5年前の経験と反省、その後の積み重ねがあった。

 2011年3月の東日本大震災に際し、多くの企業がそうであるように、日本マイクロソフトも社会貢献チームを中心に対策を練った。当時はまだクラウドサービスの比重は小さく「パソコンにOSとOfficeソフトを提供する会社だった」(日本マイクロソフトの岡部一志コーポレートコミュニケーション本部長)。自治体やNPOが使い慣れたパソコンを被災地で使えるようにするのが、自分たちにできる支援の形なのではないか。対策チームはそう考え、Officeをインストールし、通信環境を整えたパソコンを現地に運ぶと決めた。

日本マイクロソフトは熊本地震の際、避難所や自治体に「Surface」を配布した(写真提供:日本マイクロソフト)
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