1000号を記念し、改めて「Computer」とは何かを考えてみた。現実のものやことをモデルにし本物のように動かす技術である。協力して未来を創る「Comfuture」だと言い換えられる。

 1981年創刊の日経コンピュータは本号でついに1000号を迎えた。だが、この38年間で雑誌名に冠した「Computer」はあまり使われない言葉になった。機械だけではなく、それを使って得られる効果を含めて呼びたいため、情報システムやIT(情報技術)、デジタルビジネスといった言葉が使われている。

 とはいえComputerを使っていることに変わりはないからその本質を考えてみたい。1000号を記念し、SNS上で「Computerと聞いてひらめく言葉」を募集した。投稿された言葉から3点の本質を見いだせたので順に紹介する。以下でカッコを付けた言葉はすべて「Facebook」に投稿されたものである。

未来を創る技術である

 「ひらめく言葉は未来」

 「夢や希望を感じる。ソフトウエアを組む仕事を始めて30年になるが、何かできそうな、何でもできそうな、そんな気にさせてくれる」

 ITやソフトウエアの仕事を長年こなしてきたベテランからはこうした声が寄せられた。本質の1番目は未来を創る技術ということだ。

 「夢と現実だと思う」

 この投稿の通り、夢を現実にするのは簡単ではなく厳しい現実にしばしば直面する。それでも未来や夢を感じさせることは間違いない。それはなぜか。ひらめく言葉の紹介を続ける。

 「ビット。ネグロポンテは『ビットとアトム』と言った。アトムを加工するのが製造業、ビットを加工するのが情報産業」

 「ずばりソフトウエア」

 情報を取り扱い、ソフトウエアが鍵を握る。情報やソフトウエアは固定物ではないから自由度が高いということだろうか。

 「安く、意識せずに使うようになった」

 ITの価格性能比の向上と関連機器の小型化軽量化は劇的に進んだ。このことも「何かできそうな」気にさせる。

モデルでありソフトウエアである

 ある投稿者は20年ほど前、情報処理学会のプログラミングシンポジウムで次のように話したという。

 「原理をモデルにするのが科学。モデルを使って何かを作るのが工学。情報の場合、作られる何かはソフトウエアになる。小さな単位であれば細胞の構造体や思考のモデル化が可能、したがって細胞や思考をソフトウエアにできる」

 ただし「現在のAI(人工知能)の延長に思考のモデルは出てこない。まったく新しく考えないといけない」。

 業務でもコミュニケーションでも対象は何でもよい。形があっても無くてもよい。モデルにできればソフトウエアを開発でき、対象となる何かと同じ振る舞いができ、結果を記録したり予測したりできる。これが本質の2番目で次のように言い換えられる。

 「出荷時点では使いみちが決まっていない世にも珍しい道具」

 だからこそ夢を抱かせる。

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