業務の自動化手法は多々あるが日本企業は使いこなせない。前提となる業務プロセスの標準が定義されていないからだ。担い手は業務部門だが旗振り役は情報システム部門である。

 オートメーション(自動化)はまず生産現場を対象に進められ、1980年代後半には事務の現場に移ってオフィスオートメーション(OA)という言葉が流行した。それから30数年たち、マーケティングオートメーション(MA)やディシジョンオートメーション(DA)が登場している。数年前はRPA(ロボッティック・プロセス・オートメーション)が注目されたがRPAはAI(人工知能)を組み合わせてIPA(インテリジェント・プロセス・オートメーション)に進化するという。

 片仮名と英略語の羅列になってしまったが、自動化は経営者の関心事であり、情報システム担当者は動向と可能性そして限界を把握しておく必要がある。何が何でも自動化し、社員数を激減させたいと考えている経営者は少数だろうが、何らかの合理化につながるのなら「うちで使えないか」と経営者が問うて来る可能性がある。

古くて新しい話

 「なんとかオートメーション」を言いはやす人は新しく見せなければならないため、「なんとか」を中心に話を組み立てがちだ。しかし企業を中心に必要なことだけを考えれば新しい点と変わらない点が見えてくる。要するに企業の内外にある業務プロセスとそこで使われるデータをどう把握し、どう改善していくかということだ。

 プロセスはうまい日本語訳が無い言葉だが何らかの活動ないし行動の連続を指す。企業の内外には多数の業務プロセスがあり、一つのプロセスは複数の活動(アクティビティーないしタスク)で構成される。業務プロセスを進めるためにデータが必要であり、プロセスの結果、新たなデータが作られる。業務プロセスの中で判断(ディシジョン)があり、そのためのルールがある。プロセスをこなすための知識(ナレッジ)や工夫(プラクティス)もある。

 ルールやナレッジはデータの一種とみなせるが重要なので別扱いにすると、企業はプロセスやデータ、ルール、ナレッジがどうなっているか実態を記録し、結果を分析して改善案を考え、プロセスやルールを変更していく。プロセスとルール、ナレッジが確立したら自動化できる。

 なんとかオートメーションやなんとかマネジメントシステムと称される手法やツールは上記のどこかを担う。一つの手法やツールですべてを担えないし一気にすべてを実現できないから「どこを対象に何をするのか」を把握しつつ、段階を踏んで進めるしかない。

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