未来への行き方を示す「ビジネスシナリオ」が企業に必要だ。脚本には顧客に価値を提供する流れと担い手の役割を書く。目の前の情報システムの要件を決めるだけでは足りない。

 「ビジネスアーキテクチャーとはどのようなもので何を規定すればいいのか」。エンタープライズアーキテクチャー(EA)について本欄で言及したところ読者の方から質問を頂いた。

 EAは将来のビジネス、そこで使われるデータ、データを処理するアプリケーション、一連の活動を支えるテクノロジーのそれぞれについてアーキテクチャーを定める取り組みである。アーキテクチャーには構成要素の仕様と要素間の関係、設計の原則と手順を含む。ビジネスアーキテクチャーによって経営者や事業部門の意向を情報システムに反映させるわけだが確かに分かりにくい。

 情報システムに関する各種標準を作成・認証する非営利団体The Open Groupが無償公開している「The Open Group Architecture Framework(TOGAF)」はビジネスアーキテクチャー定義文書に以下を含めるとしている。

  • 組織構造
  • ビジネスのゴールと目的
  • ビジネス機能
  • ビジネスサービス(組織が内外に提供するサービス、情報システムを含む)
  • ビジネスプロセス
  • ビジネスロール(スキル要件を含む)
  • ビジネスデータモデル
  • 組織と機能の相互関係

 TOGAFはすべきこと(What)を体系としてまとめたもの。やり方(How)は規定せずEA担当者(アーキテクト)の判断に委ねる。アーキテクトは上記を決めて記載できる手法を自分で選び、アーキテクチャー定義文書を作る。

 ただし、The Open Groupは標準規約であるTOGAF本体とは別に、「TOGAFシリーズガイド」と呼ぶ文書群を公開、TOGAFを実務で使うためのガイドを提供している。TOGAFシリーズガイドは「やり方」に近い。ビジネスアーキテクチャーについては「ビジネスシナリオ」「バリューストリーム」といったガイドがある。

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