エンタープライズアーキテクチャー(EA)の手法に「TOGAF」がある。世界各国でTOGAFを扱える認証者が増えている。世界の企業や政府がEAに取り組み続けているからだ。

 人材育成は社長にとってもIT専門家にとっても関心事である。何かのスキルについて資格の獲得や認証の取得を勧める企業は多い。ITの場合、IT製品の知識や関連技術の資格に目が行きがちだが、ITを使って価値を生み出すマネジメント系のスキルの認証も重要である。その一例にTOGAFと呼ぶ設計手法がある。「The Open Group Architecture Framework」の略で、エンタープライズアーキテクチャー(EA)を記述する標準プロセスをまとめた手法である。

 「2019年4月1日現在、TOGAFの認証者数は144カ国で合計8万7842人になった。一貫して増えており、5年前の3万1149人と比べると約2.8倍になった」。グローバル標準の作成と認証を手掛ける非営利団体The Open Groupのスティーブ・ナン社長兼最高経営責任者(CEO)は4月に来日し、こう語った。

 TOGAFは20年あまりバージョンアップが続けられており、前述の数字は最新バージョンである「TOGAF 9」認証者の総数である。1人で複数の認証を受けている場合があるものの、EAを設計できるアーキテクトの人数と見ておおむね差し支えないだろう。

 国別に見ると英国の1万2578人と米国の1万2077人が双璧で、以下インドの9569人、オランダの6166人、オーストラリアの4988人と続く。日本は1106人で20位。人口比で考えるとやや少ないが2年前は34位だったからここへ来て増えている。

 The Open Groupの藤枝純教日本代表(グローバル情報社会研究所社長)は2017年4月から2018年10月までの1年半についてTOGAF認証の増加傾向を産業分野別に調べた。それによると最も伸びたのは通信で平均伸び率は138%増と2倍以上になった。次が銀行で96%増。3位は監査法人・経営コンサルティングで78%増。4位は製造・プロセス・電力・製薬・化学で67%増。5位はITコンサルティングで58%増。ただしITの上位3社の認証者は2017年4月にそれぞれ1000人を超えていた。

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