無線LAN環境ではつながらないといったトラブルが多い。原因には、通信機器や端末の設定など様々なものが考えられる。トラブルの早期解決には、問題の切り分けが大切だ。

 ノートPCやスマートフォンなどに搭載されている無線LANは、普段の業務に欠かせない機能だ。最近では新型iPhoneがWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)という新しい規格に対応したことが話題になった。今後は新規格に対応した無線LAN製品が普及し、利用シーンはさらに拡大するだろう。

 ただし無線LANは「つながりにくい」「よく切れる」といったトラブルが後を絶たない。電波を用いて通信するので場所によって干渉を受ける。端末数の増加で通信速度が低下する恐れもある。しかも目に見えない電波のトラブルなので、どこから解決してよいのか分からないといった声を多く聞く。今回は筆者らが経験した無線LANにまつわるトラブルの事例を2つ紹介する。

事例1
SSIDを増やし過ぎた

 A社は社員の座席へのLANケーブルを撤去するため、数年前に全フロアに無線LANアクセスポイントを導入した。しかしここ数年で社内の無線LAN利用が拡大し、会議室やフリースペースなどでも手間なく無線LANを利用したいといった要望が増えた。これまでは会議などで別のフロアに移動するとSSIDが変わってしまい無線LANアクセスポイントにつなぎ直す必要があった。不便を感じるユーザーが多く、改善を要求されたのだ。

 そこで新たにSSIDを追加し、フロアを移動しても同じSSIDで無線LANを継続利用できるように設定を変更した。無線LANアクセスポイントの仕様では最大16個のSSIDを設定できたので、設定済みの2個のSSIDに6個のSSIDを追加して合計8個のSSIDで運用することにした。

 ところがSSIDを追加した直後、「社内の基幹サーバーとの通信がタイムアウトする」「無線LAN通信が頻繁に切断される」といった問題が発生した。すぐに現場に駆けつけ解決に乗り出した。担当者は真っ先に無線LANコントローラーの管理画面でステータスを確認した。するとチャネル使用率が上昇していることに気づいた。2個のSSIDで運用していたときの使用率は約30%弱だったのが、8個のSSIDでは約80%に達していた。一般的に端末数が増えると使用率は増加するが、A社は端末数を増やしていない。疑問に感じた担当者が2個のSSIDに戻すと、チャネル使用率は以前の約30%に戻った。無線LAN通信がタイムアウトするといった不具合もなくなった。

図 A社で発生したトラブル
SSIDを追加した後、タイムアウトや通信断が発生
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