学生の同意を得ずに内定辞退の指標を企業へ提供していたリクナビ問題。個人情報保護委員会は2019年8月26日、リクルートキャリアに勧告を出した。データ活用関連の法令を正しく理解していない実態が明らかとなった。

リクルートキャリアへの勧告・指導を発表した個人情報保護委員会の松本秀一参事官
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 就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、就職活動中の学生らの知らぬ間にWebサイトの閲覧履歴などを基に内定辞退の指標を顧客企業に販売していた「リクナビ問題」。個人情報保護委員会は2019年8月26日、同社に組織体制の見直しなどを求める勧告を出した。

 個人データの第三者提供が個人情報保護法の適用対象となるにもかかわらず、同社は必要な検討を怠ったうえ、「安全管理のために必要かつ適切な措置を講じていなかった」として同法に違反したと認定された。同委員会が勧告を出すのは初めてだ。

 リクルートキャリアは学生らリクナビ利用者のうち、7983人の同意を得ずに個人データを顧客企業に提供していた。内定辞退の指標を顧客企業に販売するという明確な説明もしておらず、同委員会は「利用者が個人情報の利用目的を理解して同意できる仕組みではなかった」として改善を求める指導も公表した。

 リクルートキャリアの小林大三社長は同日開いた記者会見で、「学生視点の欠如」と「ガバナンス不全」があったと謝罪した。信用失墜で事業存続の危機にあり、2020年1月をめどに経営体制を抜本的に変更する方針を示した。

リクルートキャリアの緊急 記者会見の様子。写真 左が小林大三社長
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 ただ、記者会見では法令上の問題を問われると、具体的な説明を避ける場面も少なからず見られた。個人データを扱うビジネスを進めるために必要な法令を経営者が正しく理解していない実態を浮き彫りにした。

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