米国が安全保障上の懸念を理由に中国ファーウェイ包囲網を強めている。携帯インフラの排除に続き、2019年5月には同社への禁輸措置を決めた。OSや部品の供給が打ち切りとなれば、スマホ事業への打撃は必至だ。

 米商務省の産業安全保障局(BIS)は2019年5月15日、輸出管理法に基づいて安全保障上の懸念がある企業を列挙した禁輸対象リスト「エンティティー・リスト」にファーウェイを追加すると発表した。同リストに掲載された企業に対しては米国の製品を実質、輸出できなくなる。米国企業の部品やソフトが25%以上含まれた海外製品も規制の対象だ。

 ファーウェイはこうした事態に備えて部品を大量調達し、在庫は1年以上の余裕があるとされる。一方で米国に依存しない「自給自足」の態勢も整えてきたというが、それでも大きな痛手を受けるのは必至。中でも影響が大きいのが、成長著しいスマホ事業だ。

 日本では同社製スマホの新製品発売を見合わせる動きが早くも顕在化した。2019年5月22日にNTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクが予約停止や発売延期を発表すると、格安スマホを手掛ける事業者や家電量販店でも追随する動きが相次いだ。

 ファーウェイ日本法人は2019年5月21日に新製品発表会を開いたばかり。呉波ファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントが「米国政府の決定に反対し、粘り強く米国の規制に対応していく。これが我々にとっての再出発になると信じている。安心して使ってほしい」と力強く訴えた翌日の出来事だっただけに、多くの消費者に混乱を招いた。

新製品発表会で「安心して使ってほしい」と訴えたファーウェイの呉波ファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデント
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サポートは受けられるが…

 各社が予約停止や発売延期を決めた理由はさまざまだが、最大の要因は米グーグルのOS「Android」やアプリを今後も継続して利用できるかどうかが不透明なところにある。グーグルは2019年5月19日、同社がファーウェイへのソフトウエアの供給停止を検討中との報道を受け、「ファーウェイ製スマホの既存ユーザーに対してサービスの提供を続ける」との声明を出した。しかし、今後の新製品への供給については「影響を調査している」として、具体的に言及しなかった。

 ファーウェイはこの状況で「P30」や「P30 lite」といった新製品の発売日を迎えた。発売前日の5月23日午後7時過ぎになって「今回発表したスマートフォンとタブレットで、今後のセキュリティーアップデートやアフターサービスなどが影響を受けることはありません。安心して、ご購入、ご使用ください」というメッセージを出すほどのドタバタぶりだった。

発表会の会場で展示していたスマホ新製品には、米グーグル製アプリがプリインストールされていた
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