「大企業病」「制度疲労」「内向きの仕事がたくさん」「古い会社と驚かれる」「権限移譲しても散々な結果に」「大反省している」――。NECの新野隆社長が日経コンピュータの取材に応じ、後悔の念を吐露した。企業トップがメディアの取材でここまで口にするのは異例だ。業績低迷が続くNECの社内で一体何が起きているのか。そして復活はあるのか。直近の取り組みと新野社長の発言から検証する。

NECの新野隆社長は低迷する業績を立て直すことができるのか(写真:村田 和聡)

 NECの文化を変えない限り、中期経営計画をそのまま続けても絶対に(目標としていた営業利益)1500億円なんていかない。そう思って撤回を決めました。

 既存事業の落ち込みは確かに大きかったんですが、それでもある程度は想定していました。想定外だったのは、落ち込みをカバーするはずの新事業がほとんど伸びなかったことです。

 NECは2018年度まで3カ年の中期経営計画を途中で撤回し、この1月に2018年度から3カ年の新しい計画を作った。営業利益1500億円を目指すという目標を2020年度に2年先送りした格好だ。2010年と2013年に掲げた中計も未達に終わっている。新野社長は業績低迷の実態について次のように吐露する。

 既存事業の落ち込みに備えて、2013年ごろから全社の力を集めて新しいビジネスをつくろうと考え専任組織を作りました。サイバーセキュリティーやビッグデータ、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)といった成長が期待される分野に人を集めて、投資もしてきた。

 ところが、ほとんど伸びなかった。PoC(概念検証)は何百とやってきていても、それがビジネスに結びついていませんでした。それはなぜかと考えたときに思い至ったのが、企業としての体質だったんです。

 内向きの仕事を一生懸命やらざるを得なかったり、顧客から言われたことをやればいいという(受け身の)マインドが染み付いていたり。人のパワーを引き出せていない状況でした。

 業績低迷が続く根本的な原因は企業体質にあるとみる。反省は続く。

図 NECの連結業績と主な出来事
売り上げは右肩下がりで利益も増えず
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チャレンジできない状況に

 私は2016年4月に社長に就いたのですが、その1年目に、この何年かで最も悪い業績になってしまった。しかも世の中の景気が悪かったのではなく、我々だけがものすごく落ち込んだのです。理由を考えた結果、自前主義や大企業病といった悪い体質に原因があるのではと思い至りました。

 どんどん贅肉がついてスピードが遅くなり、リスクばかりを意識してなかなかチャレンジできない状況になっていた。

 もっともスピードが遅い、実行力に欠けるといった新野社長の自己分析は2016年の就任1年目の頃から変わっていない。この2年間、どんなことに取り組んだのか。その施策はなぜ成功しなかったのか。理由の一つは徹底不足にあるとみる。

 (施策を)現場の社員まで浸透させるところが足りませんでした。役員全員が社長のつもりになって経営を一枚岩にしようとか、迅速に判断しやすいようになるべく役員に権限を委譲しようとかやってきた。方向としては間違っていなかったと思います。

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