LINEやメルカリなど個人向けネットサービス大手がブロックチェーン技術への取り組みを本格化させている。ブロックチェーンは仮想通貨を実現する技術として注目を集めたものの、めぼしい応用事例が現れず、「幻滅期」に入ったとされていた。だがその裏で関連技術は成熟し、既存経済圏を脅かす破壊力を持った。新風を巻き起こそうと開発を競う各社の動きを追った。

 「とっておき、秘密のプロジェクトを特別に公開します」――。メルカリの金融子会社メルペイの曽川景介CTO(最高技術責任者)は2018年10月、ブロックチェーンを応用した試作アプリ「mercari X」を自社イベントで公開した。

自社イベントで秘密プロジェクト「mercari X」をお披露目したメルペイの曽川景介CTO(最高技術責任者)
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 曽川CTOはmercari Xを「『次のメルカリ』のコンセプトモデル」と表現する。特徴はユーザー間でやり取りできるデジタルトークン「メルコイン」をブロックチェーン上で生成し、取引を媒介させる点だ。当然、「出品」や「エスクロー(第三者預託)」といった基本的な個人間(CtoC)取引の機能も備える。「メルカリ社内の取引で使い始めている」(曽川CTO)。

 LINEはメルカリより一足早く、ブロックチェーン応用サービスの実運用に乗り出した。同社はブロックチェーン上で動作する2つの試作サービスを2018年9月に公開済みで、年内に5つまで増やす計画だ。開発を担う組織「LINE Blockchain Lab」のメンバーを年内に30人に増やすという。

 「第1世代は仮想通貨で活用され、第2世代は(ブロックチェーン上の処理を自動化するスクリプトである)スマートコントラクトなど通貨以外の応用が進んだ。第3世代は社会のあらゆるシーンで活用される」。同社の出沢剛社長はブロックチェーンの将来をこう見通す。

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