オンプレミスシステムの象徴のような存在だった銀行の勘定系システムがついに変わり始めた。パブリッククラウドの上で動く「クラウド勘定系」を採用する銀行が出始めた。FinTechを巡る新興勢との戦いや低金利政策に苦しむ銀行の救世主となるか。

 銀行のなかでも地銀の危機感はさらに強い。金融庁によると、貸し出しなど本業が2期以上連続して赤字だった地銀は半数弱に上る。地銀の営業経費のうち、システム関連費用は2割程度を占めるとされる。NTTデータ元副社長で、金融IT子会社NTTデータシステム技術の社長を務める植木英次氏は「ITコスト削減が第一だ」とみる。

北國銀行の杖村修司専務

 そんななか、石川県を地盤とする北國銀行が他の地銀に先駆けてクラウド勘定系の導入に動いた。日本ユニシスのオープン勘定系パッケージ「Bank Vision」を米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」で動かす方針だ。2021年5月の稼働を目指す。

 北國銀行は稼働後3~5年で年間のシステム運用コストを半分に減らしたい考えだ。ただし、北國銀行の杖村修司専務は「コストありきではない」と話す。クラウド勘定系への移行は本業の強化につながると読む。

図 北國銀行のシステム関連の主な出来事
クラウド勘定系の導入に踏み込む北國銀行
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 北國銀行は勘定系のほか、CRM(顧客関係管理)や融資支援といった情報系システムの大半もパブリッククラウドに切り替える考えだ。「最終的にオンプレミスの情報系は2~3割まで減る」(杖村専務)。クラウド上でデータを一元管理し、AIやBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトで分析して顧客サービスの向上に生かす青写真を描く。

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