2018年分のふるさと納税で、税控除額が正しく計算されない事象が相次ぎ発生した。確定申告の手間を省く「ワンストップ特例制度」のシステムに不具合があった。システムの設計に不備があり、自治体での操作ミスが頻発。納税データが住所地の自治体に届かず、税額計算に影響した。自治体の実情を十分配慮せず電子化を急いだ国の姿勢に対する疑問の声も上がる。

 「あれ、控除額が少ないぞ」。都内に住む40歳代の会社員は2019年5月半ば、住所地の自治体から勤務先を通じて交付された「住民税決定通知書」を見て疑問に思った。2018年に3つの自治体にふるさと納税をしていた。確定申告をしなくても気軽にふるさと納税ができる「ワンストップ特例制度」を使ったはずなのに、その分が控除されていなかった。

 問い合わせようと思ったところ、2つの自治体から相次いで「手続きのミスで控除されていなかった」との謝罪文が届いた。うち1つの自治体は控除を受けるには改めて確定申告が必要だとした。休みを取って税務署に出向くのは大変だ。結局、確定申告を断念し、控除を受けるのは諦めた。

 2019年半ばに全国の自治体で同様のトラブルが多発した。北は北海道洞爺湖町から南は沖縄県東村まで、地方の中小自治体の多くがWebサイトに謝罪文を載せた。総務省自治税務局市町村税課はトラブル発生件数など全体像を把握できていないという。

 日経コンピュータの取材によれば、トラブルの原因は地方税共同機構(LTA)が運用する「ふるさと納税ワンストップ特例通知システム」にあった。システム自体は要件通り動作していたが、自治体の担当者が操作を誤りやすい設計になっていた。結果的に控除額の誤りにつながった。LTAは地方税事務の電子化を担う地方税ポータルシステム「eLTAX(エルタックス)」を運用する。特例通知システムもeLTAXの一機能として実装した。

図 ふるさと納税ワンストップ特例通知システムのトラブルの概要
「寿命」あと1年のシステムに機能追加
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