「次(の社長)だね」。2019年1月末、あるユーザー企業の幹部は富士通の時田隆仁常務(3月28日副社長就任、6月24日付で社長就任予定)に声をかけた。この幹部は時田氏の人柄の良さと能力を買っていた。富士通が毎年1月末に主要顧客の役員や幹部を数百人招く懇親会に出席した際、時田氏を呼び止め水を向けた。時田氏は驚いた様子を見せたが同幹部は「驚きの中にも落ち着きがあった。(社長就任を)言い渡されたな」と確信したそうだ。

異例の副会長人事

 富士通の歴代社長の任期は5年が通例であり本来なら社長交代は2020年のはずだった。だが、このユーザー企業幹部は「田中(達也)社長が2018年10月、社長就任時の公約撤回と間接部門のリストラを発表したのを聞き、交代がある」と踏んだという。

 富士通関連会社のある役員は「金融筋や古河三水会の重鎮が見かねて退任を勧めたのだろう」と見る。この役員は続けて「田中社長と塚野(英博)副社長は経営責任をとる形で退任するが、やりかけたリストラを完遂させるため塚野氏を執行役員副会長にする。塚野氏は6月末に富士通マーケティングを吸収合併する直前、おそらく営業部門を対象に何か仕掛ける」と読む。

 塚野人事と並んで注目されるのは総務出身で現在は法務を担当する安井三也専務が6月24日付で代表取締役副社長に就任すること。富士通の元上級役員は「塚野氏と安井氏による強力なコンビを誕生させる」と解説しつつ続けた。「2人が汚れ役を引き受け、富士通をいい方向へ変えられたらそれはそれで幸いだ」。

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