富士通と日本IBMの新社長には共通点がある。両者とも金融業界向けのシステム構築やプロジェクトマネジメントの経験が長い。

 2019年5月1日付で日本IBMの社長に就任した山口明夫氏は1987年に入社し、エンジニアを出発点に長く金融機関向けのシステム構築などに携わった。6月24日付で富士通の社長に就任する予定の時田隆仁氏も金融畑が長い。1988年に入社して以降、エンジニアとして生命保険会社やメガバンクのシステム構築に携わり、社内では「金融畑のエース」と目されてきた。

 ITベンダーには金融畑出身の社長が多いとはいえ、2人が令和の時代の始まりとともに社長に就任したのは絶妙な巡り合わせだ。昭和と平成に日本のIT業界を引っ張ってきた富士通と日本IBM。そして両社をはじめITベンダーにとって最大の顧客は金融機関だった。平成元年の直前に入社した2人が金融畑を歩み、令和の到来とともに両社のトップとなる。

 巡り合わせはそれだけではない。平成はシステムインテグレーション(SI)が勃興し全盛を極めた時代だった。日本IBMは山口氏が入社した1987年に、三井銀行(現三井住友銀行)と総額485億円といわれる第3次オンラインのSI契約を結ぶ。当時は「日本初のSI契約」という触れ込みだった。

 富士通は1981年にシステム本部を設置し、業務アプリケーションの受託開発の事業化を図り、後にこの事業をSIと位置付ける。SI事業は1995年に黒字化し、富士通の経営の屋台骨を支えるビジネスへと成長していった。

事業構造を変革できるか

 日本IBMと富士通が切り開いたSIビジネスには、日立製作所やNECといった他のコンピューターメーカー、外販に乗り出そうとする大企業のシステム子会社なども続々と参入した。その後、国産コンピューターメーカーのハードウエア販売が不振に陥ったこともあり、最近では日本のIT業界全体で見ても、SIは主力ビジネスとなった。

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