アサヒビールは営業支援システムの「再生」に成功した。既存システムをそのまま流用しつつ、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」のPaaSで機能を拡張。アジャイル開発により5カ月間で完成させ、年10万時間以上の仕事を減らした。

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 アサヒビールは2018年7月、新しい営業支援システムの展開を終えた。業務用商品を扱う営業担当者向けのシステムだ。10年以上使ってきたシステムの使い勝手を向上させ、業務効率を高めるのが目的だ。

右:主力商品の「スーパードライ」とリニューアルした新ジャンルの「プライムリッチ」 左:アサヒビール本社ビル(東京・墨田) 
(写真提供:アサヒビール)
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 外出先から社用のiPhoneで訪問先に関する営業情報を入力できるようにした。入力補助機能の助けもあり、「PCで数時間をかけて入力していた内容を数十分で終えられるようになった」。アサヒグループの財務や人事、総務、情報システムなど各種の管理・間接機能を一手に引き受けるアサヒプロマネジメントの塙圭介業務システム部主任はこう振り返る。

 レストランや居酒屋などに酒類を卸すなど、業務用商品を扱う営業担当者は全国に500人いる。営業日数が年250日で、1日の入力時間を1人当たり1時間削減できたと仮定した場合、年間で12万5000時間を削減できた計算だ。

 新システムの構築に費やした期間は5カ月間、工数はわずか20人月だった。短期開発を成功できたからくりはオンプレミス(自社所有)環境の既存システムを流用した点にある。米マイクロソフトのクラウドサービス「MicrosoftAzure」のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を既存システムにかぶせる形で活用し、機能を高めた。

 「既存システムをレガシー(遺産)ではなく、資産に変えようと挑戦した」(塙主任)。その結果、「既存システムを再構築するよりも低コストかつ短期で済んだ」(同)。

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